日本人なら、朝飯はコメ!

・・・ですが、それ以外のつぶつぶもおいしいんですよね。
子供の頃、朝ごはんといえばだいたいコメにおかずでした。パンもたまには食べていたけれど、コーンフレークとかライスクリスピーとか、いわゆる朝食用のシリアル系に手を出したのは高校生くらいになってから。よく食べていたのは
オールブラン。今でも好きです。

その後、学生時代にイギリスに行った際に(たしか)初めて食べたのが
ミューズリー(muesli)。オートミール(など)にナッツ、ドライフルーツ(など)がたっぷり入ったシリアルで、それまでオートミールはまったく食べなれていなかったけれど、すっかりはまって、その後数年間はイギリスに行くたびに何袋も買い込んで(合計2~3kg、、)日本に持ち帰ってきたものでした。
東京でも輸入食品店などで買うことができたので、お土産(違)が底尽きると紀ノ国屋や明治屋などで買ってきて朝におやつに食べていたのですが、いくらミューズリーが「健康にいい」食品とはいっても、ナッツやらドライフルーツやらたくさん入っているのですから、それを毎日大量に食べていたら当然 太る わけで、、ミューズリーはそのうち買わなくなりました。

あれからずいぶん経ちますが、ミューズリーはたまーに買って食べる程度。でも先日、思い立って初めて自分で作ってみました。作ったといっても、オートミールとナッツとドライフルーツを混ぜるだけ。。
レシピも探すといろいろあるけれど、今回はイギリスでいつも買っていた
Tescoのやつを参考に、うちにある材料で作成。
<オートミール / アーモンド、ブラジルナッツ / レーズン、プルーン、あんず、パパイヤ>
・・・参考にといってもテスコのとはかなり違ってますけれどね、、まあいいのです。ここに牛乳をかけてオートミールがやわらかくなったところで食べます。ちなみに
ブラジルナッツもミューズリーと同様にイギリスで初めて食べたもの。日本ではなかなか手に入らないのですが、大粒でクリーミーなナッツ。これは昨年末の旅行で買ってきたもの。ミューズリーはこれが入っているとおいしいんですよねえ。
さて、ミューズリーに似たシリアルの一種で
グラノーラ(granola)があります。

オートミール(など)にナッツとフルーツ(など)を混ぜたもの、という点ではミューズリーと一緒ですが、グラノーラは全般にもっとしっかり甘みがついているのと、オーブンでカリカリに焼いてある点が大きく違います(※「ミューズリー」でもオーブンで焼いて作るものもあります)。
グラノーラもミューズリーと同時期に試してみたのですが、市販のものはわたしにはちょっと甘すぎて、あまり手に取ることはありませんでした。たまに食べると「おいしい!」と思うのですけどね。それが約1年前、何かの拍子に「グラノーラ食べたいな~」と思いたちました。というか正確には、「食べたい」より「作りたい」。
なわけで、さっそくやってみました。

材料を用意。オートミールにナッツ数種類、ドライフルーツ数種類。甘みづけにははちみつ。

刻んだナッツとオートミールを合わせ、はちみつをからめて塩少々をふり、オーブンへ。

ときどきかき混ぜながら焼きあがったら、刻んだドライフルーツを混ぜます。
さめたらできあがり。
<オートミール / アーモンド、くるみ、カシューナッツ/ レーズン、いちじく、あんず、クランベリー、マンゴー、メロン、バナナ / はちみつ / 塩>
刻む材料がたくさんあるのと、焼いている間、焦げないようにときどきかき混ぜる以外は、ほとんど手間がかからず、ごく簡単にできます。このとき使ったレシピは
こちら。グラノーラのレシピは探せばいろいろありますが、これがいちばんシンプルでおいしくできるレシピだと思います。

わたしはグラノーラに使うナッツはアーモンド、くるみ、カシューナッツ、ピーカンナッツなど、フルーツはレーズン、クランベリー、いちじくなどが好きなので、どのレシピでもこのあたりが中心になりますが、いずれも好きなもの、手に入りやすいものを使えばいいし、甘み付けははちみつでもメープルシロップでも、どちらでもおいしくできます。
このレシピでなるほどー、と思ったのは、ドライフルーツを焼き上がったところに混ぜるという点。ドライフルーツ(特にレーズンなど)はかなり焦げやすいのですが、この方法ならその心配は不要。オートミールとナッツが熱いうちに混ぜるので、ほどよくふっくらします。ときに、ナッツ類で既にローストしたものを使う場合は、最初から焼くと焦げるので、最後の15~20分くらいで混ぜるといいです。
できあがったグラノーラは瓶かジップロックに入れて保存。数日間は、朝ごはんの心配がいりません。

そのままポリポリつまむことも多いですが、ヨーグルトをかけて食べるのが好きです(ミューズリーには牛乳、グラノーラにはヨーグルトが好き)。季節の果物があればなおよし。
グラノーラ+ヨーグルト+フルーツといえば、こんなのも。

グラノーラのパフェ。ボウルに盛るかわりに、背が高めのグラスに重ねただけです。数年前に
Le Pain Quotidienで食べたのが気に入ったので、自分でもやってみました。家で食べる朝飯とは思えないおしゃれ加減ではないですか。
こんな感じでぽりぽり食べているとあっという間になくなるので、この1年間は結構ちょくちょくグラノーラを焼いていました。その間、いちばんよく作ったのは上にリンクしたレシピですが、ほかにもいろいろ作っているので、以下そのうちのいくつかを。
<オートミール / アーモンド、くるみ、カシューナッツ、かぼちゃの種、ひまわりの種、ごま / いちじく、クランベリー、ブルーベリー、クコの実 / はちみつ / オリーブオイル / シナモン、カルダモン、バニラ / 塩>
このときは確かオリーブオイルを使ったレシピを探していて、見つけたのが
こちら。材料については、ナッツとフルーツは「好きなものを」という適当っぷりですが、グラノーラってまぁそういう食べ物ですよね。

ちなみにこちら、食べたときに「どことなく中東系な感じがする・・・」と思ったのですが、いちじく・ごま・はちみつ・カルダモンあたりの組み合わせがその理由だったのではないかと思います。たぶんね。
スパイスのきいたグラノーラをもうひとつ。
<オートミール / アーモンド、くるみ、ピーカンナッツ、かぼちゃの種 / レーズン、クランベリー / はちみつ / バター / シナモン、ナツメグ、バニラ、オレンジの皮のすりおろし / 塩>
これはクリスマスの頃によく作っていた、その名もクリスマスグラノーラ(そのまんま)。レシピはだいたい
こちら。どのあたりがクリスマスかというと、やっぱりシナモンやナツメグなどのスパイスに、オレンジの香りがほんのりするあたりでしょうか。
クリスマスの話が出たついでに(<かなりこじつけ)、冬の間に作っていたグラノーラの話を。
<オートミール / アーモンド、くるみ、カシューナッツ / (レーズン、クランベリー、いちじく) / メープルシロップ / なたね油 / シナモン、ジンジャー、カルダモン、バニラ / 塩>
うちは暖房は石油ストーブが中心で、最高気温が零度を下回る日がずっと続く冬の間は一日じゅうつけていることもしばしば。その間、だいたいストーブの上に何か載せて料理したり温めたりしています。グラノーラもこの方法で作れないかね、、と思って探してみたら、オーブンを使わないレシピは結構あるのですね。なんとなく参考にしていたのは
こちらですが、材料は結構変えています。どんなナッツとフルーツの組み合わせでもできると思います。
いずれにせよ、最初にオートミールだけで乾煎りしてから、ドライフルーツ以外の他の材料と合わせてさらに焼き、最後にフルーツを加えています。何度も作ったのに出来上がりの写真がないのですが、、焼き時間が少なめなので焼き色が薄め。普通においしくできましたよ。
作り方ではなく材料がちょっと変わったものを。

これは日本で前からある押し麦。大麦を加工したもので、米に混ぜて炊いて麦飯にする、あれです。
そもそも
オートミールとは、オート麦(燕麦、カラスムギ)を加工したものの総称ですが、グラノーラに使うのはいわゆるrolled oats、つまり一種の「押し麦」です。

写真の上に写っているのがオートミール(ロールドオーツ)、下が普通の(?)押し麦。原料が違うとはいえ、加工のしかたが同じ(たぶん)なので、見た目はよく似ていますよね。
去年、グラノーラを作ろうと思ったとき、近所で買えるオートミールがフレーク状になったものしかなくて、結局ネットでまとめ買いしたので、材料ももっと簡単に手に入ったらいいのになー、と思ったときに目についたのが押し麦でした。見た目は似てるし、これでグラノーラを作れないもんかね、と思って調べてみたら、同じようなことを考えている人はやっぱり結構多いようで、レシピもちらほら見かけました。

そこで試しに自分でも作ってみました。基本的には、最初にリンクした
こちらのレシピで。
押し麦でグラノーラを作ってみた方々の話を読んでいて、共通していたのは「硬い」ということ。確かに、押し麦(大麦の)はオートミールと比べると厚みがあり、調理前の状態でも触った感じが硬いので、いかにも火が通るのに時間がかかりそうなのですよね。なもんで、焼くときに温度をやや低め(160~170度)、時間をやや長め(50~60分)にしてみました。

焼き上がり。ぱっと見はまあ、オートミールのと同じですね。
食べた感じは、うむ、やっぱり「硬い」。火は通っているのですが、オートミールで作ったものと比べると明らかに噛みごたえがあります。どちらが好みかと言えばやっぱりオートミールのほうですけどね、、これはこれでいいかなと。

オートミール(ロールドオーツ)があればそれに越したことはないですが、手に入らないときは押し麦でもいちおう代用可能、ということで。押し麦なら日本ではどこでも売ってますしね(安いし)。もしかしたら最初にちょっとお湯に漬けたり茹でておいたりしたらいいのかもしれませんね。試してないのでわかりませんが。
材料が変わっているもの、もうひとつ。
<オートミール / きび、あわ、ひえ / ピスタチオ、ココナッツ / クランベリー / はちみつ / なたね油 / 塩>
レシピは
こちら。オートミールが主体になるのは普通のグラノーラと同じですが、これはmilletが入っています。ちなみに日本ではキビ、アワ、ヒエのいずれもmilletの一種ですが、アメリカのレシピでmilletというのはだいたいキビにあたるようです。今回は3種類混ぜて入れてしまいました。

きび、あわ、ひえは最初に熱湯に漬けておいてから他の材料と混ぜてオーブンで焼きます。出来上がりはぷちぷちとした食感がおもしろい。グラノーラの楽しみのひとつは、いろんな食感が混ざっているところだと思うので、そういう意味でもこれはなかなか。
材料がオートミールに戻ったところでオートミールのグラノーラに話を戻しまして(<再びこじつけ)、今度はフレーバーがちょっと変わったものを。
<オートミール / くるみ / ストロベリー、ラズベリー、クランベリー、クリムゾンレーズン / はちみつ / バター / ばら / 黒こしょう / 塩>
ばらの花びらをたっぷり使ったこのグラノーラは、大好きな
こちらのブログのレシピ。約1年前、グラノーラのレシピをいろいろ見て回っていたときに見たので、さっそく試してみました。

元のレシピでは、ドライフルーツとしてカランツを使っていますが、このときはばらの色に合わせてピンク・・・とはいきませんが赤いベリー系を混ぜて使ってみました。ドライラズベリーとクリムゾンレーズンは初めて使ったのですが、どちらも酸味がきいていておいしかったです。
また、レシピではローズウォーターを使っているのですが、手元になかったのでこれは省略。

その代わり、焼く前にも焼いた後にもバラの花びら(ハーブティー用で売っているものを使用)をたっぷり入れました。
それから、元レシピではオプションとして卵白を使っています。卵白を入れると、焼いたあと、かりっと軽い固まりができるので、それが好みならば少し入れるとよいです。

このときは卵白は使わなかったので、ぱらぱらっとした仕上がり。うっとりするようなばらの香りと、ベリーの酸味がよく合っていて、ぴりっとした黒こしょうの辛みがほのかにきいています。
このときはせっかくなので、フレッシュないちごとラズベリーをそえてみました。

ピエール・エルメの
グラノーラ・イスパハンほど盛りだくさんではないかもしれませんが、こちらも負けず華やかではないかと。
この、ばらのグラノーラを最初に作ったのが去年の初夏、約1年前。で、今年、つい先日作ったのがこちら。
<オートミール / ココナッツ、カシューナッツ、ピスタチオ / あんず、パイナップル、りんご、グリーンレーズン / はちみつ、ブラウンシュガー / なたね油 / カモミール / カルダモン、バニラ、レモン汁 / 塩>
ばらと同様に、ドライにしてお茶などに使われるカモミール。去年の春には念願かなって(?)
摘みたてのカモミールの花を使っていろいろ遊んでみました。この春もまたたくさん花をいただいたので、今ぼちぼち楽しんでいるところ。でもって最近はグラノーラをよく作っているので、カモミールもグラノーラに使ってみようと思い立ったのは自然な流れというか。

カモミールとよく組み合わせて使われる素材のひとつがあんずなので、カモミールとあんずを使ったグラノーラにしようと思って探してみたのが
こちら。これをベースに、カモミールと相性のいいはちみつとレモン、香りが似ているりんご、色の相性がよさそうなピスタチオ、グリーンレーズンを加えてみました。りんごとグリーンレーズンは焦げやすいので、焼き上がってから加えています。
カモミールはドライにしたものを細かく刻んで使用。今回は、去年の春に自分で干して作った残りを使いました。

ちょっとはちみつが多かったのか、好みよりは甘かったのだけれど、それ以外は非常によくできました。焼く前からいい香りが漂っていましたよ。これを作ったのは一日雨で暗い日だったのですが(もう入梅したとか、、?)、ちょっと明るい気分になりました。
さて、この1年こうしていろいろグラノーラを作ってきたなかで、いちばん多く作ったのが最初に触れた
こちら。で、このレシピを紹介しているスイス在住のニューヨーカー
Kerrinは、甘いもの全般、特にチョコレートへの造詣が深いブロガーですが、彼女のグラノーラへの愛もなみなみならないものがあります。そもそも1年前にわたしのグラノーラ熱(?)が始まったのも、彼女の話がきっかけのひとつでした。

そんなKerrinのいち押しのグラノーラが、
こちらのレシピ。塩味のきいたダークチョコレート入りのかりかりグラノーラ。チョコレートとナッツがごろごろ入った、朝食というよりはおやつ向きのグラノーラ。
で、彼女が今年の初めに作って
Instagramに載せていた、コーヒー味のチョコレート入りのグラノーラを見て、「いいな~!」と騒いだら、かわいい瓶に入ってはるばるスイスから届きました(!)。

それもおまけに貴重なスイスチョコレートつき。

そしてわたしの名前つき =)
こちらは、ダークチョコレートにコーヒー味のホワイトチョコレートの2種類のチョコレート入り。塩味がしっかりきいていて、甘さを引き締めています。

普段、グラノーラにはヨーグルトを合わせるのが好みだけれど、このときは牛乳をかけていただきました。ミルクがほんのりコーヒー味&チョコレート味♪ コーヒーとともにいただきました。あとはバニラアイスにそえて食べたりもしたけれど(これがうまい!)、ほとんどはポリポリそのまま食べてなくなりました。
Kerrinが送ってくれたグラノーラはあっという間に消えてしまったけれど、ラッキーなことに彼女のグラノーラのレシピがあるので、似たようなのが自分で作れます。実際、送ってもらった前にも後にも何回か作っています。
こちらのレシピが、チョコレートが入る以外に先のレシピと違うのは、
アップルソースを使う点。油の代わりにアップルソースを使うグラノーラのレシピはよく見かけます。日本だと市販のものは手に入りづらいので、わたしは自分で作っています。りんごを煮てブレンダー(ミキサー)にかけて、少し煮詰めるだけ。冷凍保存できるのでまとめて作っています。
それからもうひとつ大きな違いは、ドライフルーツが入らないところ。Kerrinは、ドライフルーツはグラノーラに混ぜずに、丸のままでグラノーラと一緒に食べるほうが好きなのだそうです。でもわたしはグラノーラはドライフルーツがいっぱい入ったのが好みなので、自分で作るときは、レシピのうちシード類(かぼちゃの種、ごま、など)の一部を、チョコレートに合うドライフルーツに代えて作っています。
<オートミール / ライフレーク、蕎麦の実、けしの実 / アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、ブラジルナッツ / デーツ、いちじく、クランベリー / ダークチョコレート、カカオニブ / メープルシロップ、ブラウンシュガー / アップルソース / 塩>
ひとつ前の写真と中身が微妙に違うのは、作った時期が違うためです。。これはいちばん最近作ったときの内容。でも、毎回おおかたはこんな感じの内容ですね。このときはカカオニブも入れてチョコレート風味2割増し(推定)。フルーツとチョコ以外の材料を合わせてしっかり焼きあげたら、フルーツを混ぜ、しっかり冷めてから刻んだチョコレートを混ぜます。瓶に入れるとカラカラと音がするくらいカリカリ。

何回作っても、写真に収める前になくなってしまっていたのですが(なぜだろう・・・)、今回はブログのためにちゃんと写真撮りました。もっとも、この後はまたいつのまにかなくなりそうです。。
というわけで、この1年の間に作ったグラノーラ(の一部)でした。

毎度のことですが、作り始めるとしつこく続きますねぇ・・・。
特に、ここ数日は続けて何種類か作ったので、現在グラノーラ(とミューズリー)の瓶がごろごろ並んでいます。

ようやく冷たい牛乳やヨーグルトが食べられる陽気になってきたので、つぶつぶ、ごろごろの朝ごはんがまたしばらく続きそうです。