山の上も暑い日々がちょっと続いておりました。
冷たい飲み物がほしい時期です。
←ここでは1年のうち数週間しかありません。わたしは一年じゅう毎日、一日じゅうお茶を飲んでいます。緑茶だったり紅茶だったりハーブティーだったり種類はいろいろだけれど、飲むのは基本的に温かいものか、常温にさましたもの。氷を入れた冷たい飲み物はあまり体が受け付けないので、大量に摂取することはありません。
そんなわけで7月あたりから水出しの緑茶や玄米茶(常温)が中心になっていましたが、本格的に暑い日には、やはり冷たいものが恋しくなるときがあります。で、先日作ってみたのがこちら、カモミール+ミント+カルダモンウォーター。
ドライカモミール、フレッシュミント、そしてカルダモンを水に入れて冷蔵庫で置くこと24時間ほど。ハーブとスパイスがほんのり香る冷たい飲み物の出来上がりです。これを「水出しのカモミールミントティー(カルダモン入り)」と呼べないこともないとは思うのですが、味はかなり薄めで本当に軽い仕上がりなので、やはり「お茶」というよりは「フレーバーウォーター」という感じです。
で、これは先日、本屋で手に取った『フレーバーウォーター』(福田里香 著、文化出版局、2010年)に載っていたレシピ。「フレーバーウォーター(flavored water)」とは、軽くフルーツやハーブの風味をつけた水のこと(そのまんま)。日本では有名なところで
これとか
これとかで味つきの水がありますね。でも、市販品は人工的な香りがしたり甘みがくどかったりで、「水の代わり」とはちょっと違うかなぁ、という気がするので、自分で作ってみるというのはいいじゃないか、と思ったわけです。
で、この本ではカモミール+ミント+カルダモンのこの組み合わせが気になったので、帰宅してさっそく試してみた次第。普段ドライのカモミールで作るカモミールティーがあまり得意ではないのですが(ミントティーもドライのミントで淹れたのは苦手)、これはどちらの味もごく軽く、さっぱりしているのでおいしく飲めました。ちなみにカモミールは
春に自分で干したもの、ミントは家庭菜園に向かないうちの庭でがんばっている数少ないハーブを使っています。そして水は、ふだん飲み水やお茶などに使っている、近所の山奥で汲んでくる天然水です。
こんな感じで急にフレーバーウォーターに興味がわいたので、毎日暑かったこともあり、いろんなレシピを物色していくつか試してみました。材料はいろいろですが、作り方は基本的にはだいたい同じです。
フレーバーをつける材料を瓶に入れ
水をどぼどぼ注ぎ
ハーブや固い果物などを一部、軽く潰して混ぜ、冷蔵庫で24時間以上置き
ざるや茶こしなどで濾し(濁りの少ない仕上がりにするなら晒やペーパータオルを敷く)
残った固形分は処分。果物などまだは一部残しても可
氷を入れたりして、冷たくしていただきます。
ちなみにここで作ったのはラズベリー+ローズ+バニラウォーター。
こちらで見たレシピで、ラズベリーは冷凍のものを使いました(
こないだ摘んできたやつではなくて)。若干、バラの量が多かった気がしましたが、さわやかな味にいい香りでおいしかったです。
さて、フレーバーウォーターの作り方をネットで探してみると(英語)、本当にたくさん出てきたのですが、材料もいろいろなら作り方もいろいろ。甘みをつけるも、材料(果物など)を最初に煮るもの、材料と水を合わせてブレンダー(ミキサー)にかけてピュレにし、それを濾すもの、などなど。可能性は無限大。
が、今回わたしが欲しかったのは、日々飲むお茶代わりに、水のようにがぶがぶと飲めるもの。味は薄く、甘みはつけず、準備に時間と手間がかからないもの、という基準で、砂糖をはじめとする甘味料は使わず、煮たり裏ごししたりという手間もないレシピを探しました。普段、食べ物や飲み物はなるべく風味が濃いもの(甘み・塩味が強いという意味ではなく、素材の味が濃いもの)を欲するわたしにしては、「なるべく薄く、ほのかに」を目指すというのはちょっと新境地です(おおげさ)。
そんなわけで試したレシピをいくつか。
上の数枚の写真を見て、「これは・・・きゅうり?」と思った方!正解です。きゅうり+ミント+レモンウォーター。「きゅうり水(cucumber water)」の存在は前から知ってはいたけれど、実際に試したのは初めてです(たぶん)。作り方は基本的に
こちらを参考に(分量はかなり適当ですが、、)。きゅうりはピーラー(皮むき器)で薄くスライスしています。きゅうりの「きゅうりくささ」が苦手な方はたぶんダメだと思いますが、さっぱりしていてなかなかおいしかったです。つめたーくして飲むのが必須かと。食事時にいいですね。
食事向きのやつをもうひとつ。
シナモンウォーター。シナモンスティックを水に入れるだけです。これも上記の福田里香さんの本で見かけたものですが、ネットでも同じようなレシピは目にしました(
これとか)。
シナモンというと、お菓子はもちろんお茶に入れたり、ときには料理にも使いますが、それだけで水に味をつけるという使い方は考えたことがなかったので、わたしにとってはなかなか新鮮でした(昔から「ニッキ水」というのはあるけれど、飲んだことはなし)。これはぜひ試してみあなければ、と。
ある日、カレーとともに。結局、2昼夜くらい漬けていたので、ちょっと香りが濃くなりましたが、さらに水で薄めればいいので問題なし。感想としては「うむ、シナモンの香りだ」というところ(←そのまんま)。そういえばわたしは、シナモンだけの香りというのがそんなに好きではなかったのでした(!)。いや、他のスパイスと混ぜたのは好きなんですけどね~。家族は意外と気に入った様子でした。
そして、果物中心のものも。
桃、すいか、ブルーベリー。これぞ夏!な果物ですね。
3種類の果物に、3種類のハーブを合わせてみました。
桃+セージ、すいか+ローズマリー、ブルーベリー+ミント。果物は地元産のもの、ハーブは庭のものです。
桃+セージの組み合わせは、
こちらで見たもの。黄桃ではなく、日本で手に入りやすい白桃を使っています。わたしは果物とハーブの組み合わせが好きで、桃もミントやタイム、レモンバーベナなど何種類かのハーブと合わせたことがありますが、セージは初めてかも。色止めと、味を締めるためにレモンの薄切りも足してみました。
すいか+ローズマリーは
こちらから。そういえば昔、すいかとタイムのグラニテというのを作ったことがあったけれど、ローズマリーもいいですね。
そしてブルーベリー+ミントは、桃と同様
こちらのページで見た、ブラックベリー+ミントの組み合わせで、ブラックベリーの代わりにブルーベリーを使用。ブルーベリーのほうが簡単に手に入りますしね。
あ、でもブラックベリーのも作っています。
ブラックベリー+レモン+ジンジャーウォーター。
こちらで見て、しょうが好きなわたしとしては、これは試してみないと!というわけで。レシピでは「最低1時間置く」となっていますが、1時間だとあまり味が出ていなかったので、やっぱりまる1日以上は置いたほうがいいかもしれません。あと、面倒でなければしょうがのスライスの代わりに絞り汁を入れるともっと味が出るかも。(←しょうが好きなもので。)
ともかくも、こうやってフルーツを漬けた水は、ほんのりと色がついて、なんともかわいい。
そうそう、漬けた果物は、基本的には味が出てしまっているので、あまり味が残っていないと思うのですが、ブルーベリーなどは潰さずに残った分はまだ食べられました(※冷凍ラズベリーは無理でした)。
果物を漬けたこれらのフレーバーウォーター、どれもさっぱりおいしくいただきましたが、桃に関しては期待外れというか予想通りというべきか、あんまり桃の味はしませんでした・・・。桃のフレーバーウォーターの作り方はいくつか見ましたが、どれもだいたい桃をいちど煮てその煮汁を冷やす、または汁ごと全部ピュレにして濾す、という感じで、あとだいたいは砂糖などで甘みをつけるレシピでした。水に漬けただけだとちょっと味がかすかすぎるのですね、やはり。あと、自分の判断でレモンを入れたのですが、レモンの味のほうが勝ってしまっていました(汗)。まずいわけではないし、桃の香りもするのだけれど、「桃ウォーター!」と思って飲むとちょっと薄すぎかなー、という感じでした。
もっとも今回は「水代わり」で「風味はあくまでほんのり」というのがテーマだったので、それでよかったといえばそれでよかったのですけどね。中途半端な薄さだと、「ものすごい水っぽいジュース」という感じになってしまうので、もう思いっきり薄いくらいがいいかもです。
こうして1~2週間の間で作ってみたもののほかにも、試してみたいものはいろいろ。大葉+緑茶+山椒(上記の福田里香さんの本)、パイナップル+ミント(
こちらのページより。英語ですがフレーバーウォーターの作り方やいろんなフレーバーが詳しく書いてあり参考になります)、さらにはパイナップル+ミント+チリ、きゅうり+メロン、すいか+バジルなども(いずれも
こちらのページ)などなど。
うちは冷蔵庫の都合もあり、1回ずつ少なめの分量で作っているのですが、少量で作るとあっという間に飲みきってしまえるので、いろいろ試せて楽しいです。もちろん、気に入ったフレーバーがあれば大量に作っても便利ですね。冷蔵庫で保存し、2~3日で飲み切るようにします。
さて最後に、ちょっと趣の違うフレーバーウォーターもひとつ。
はちみつしょうがシロップをガス入りの水で割って、自家製ジンジャーエール。甘味料は使わない、という今回の趣旨からちょっと外れますが、この夏お世話になっているので。
このシロップは数年前にも作って
ブログに書いているので覚えている方もあるかもしれませんが、しょうがを薄切りにしたものを(わたしは1回、湯通ししてから)レモンの薄切り、赤唐辛子、シナモン、クローブ、カルダモン、黒こしょう(スパイスはすべてホール)と一緒にはちみつに漬けただけ。分量はかなり適当です。
漬けてから2~3日で使えるようになりますが、前回、「ちょっとはちみつの味が強くて、市販の”ジンジャーエール”とはちょっと違う感じかも」と思ったので、今回はもっと長く漬けこんでみました。具体的には、2月か3月頃に漬けこんだものです(※レモンの薄切りのみ、1~2週間で取り出しています。これだけ瓶のいちばん上に入れておくと取り出すのがラクです)。
こうして半年近くスパイスを漬けこんだはちみつは、しょうがの味もしっかりついて、炭酸水で割ったら「おぉ、これはまさにジンジャーエールかも!」な仕上がりで満足でした。
もちろん、今から作って1週間後に飲んでも、それはそれでおいしいと思います。スパイスを砂糖と水で煮出しても作れますけどね。
そんなわけで、味つき水、いろいろでした。
冷たい飲み物がほしい時期、とは言いましたが、1年のうち4分の3は多かれ少なかれ暖房がいるこの山の上では、そんな時期は本当に短いので(文句はありません)、今のうちに楽しんでおこうと思います。
ほんとうに暑い夏のまっさなかにある皆様は、熱中症などかからないよう、水分補給も忘れずにどうぞ元気で楽しい夏をお過ごしくださいね。
昼間は暑いけど朝晩はどことなく秋の気配も感じられる山の上でした。