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冬深まり、色失せる山奥。
by zochika
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あんず克服への道
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初夏にになるとそろそろと果物売り場に顔を出す桃やプラムの類の果物。東京にいると、だいたい6月頃のさくらんぼに始まり、7~8月にかけて桃、ネクタリン、プラムなどが並びますね。信州にいると、その合間にほんの短い間、杏が姿を見せます。


もちろん、東京でもあんずは売っていますが、店頭に並ぶのはせいぜい1~2週間くらいの間で、それもあまり目立たず、気にしていなければ見逃すくらいの存在ではないでしょうか。その点、信州はあんずの産地だけあって(東京あたりで出回っているあんずはたいてい長野県産かと思われます)、かなり大盛りで果物売り場で存在感を示しています。





7月の初め頃に、買い物の折に今年初めてあんずを見たのでとりあえず買ってみました。
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この写真では、2種類あるのがわかりますでしょうか。全体にオレンジなのは普通の(?)あんず、赤みが強いのは…名前を忘れましたが(汗)ちょっと違う品種のようでした。こちらのほうが甘みが強いようです。


もっとも、甘味が強いといっても、あんずって生で食べてもそれほど甘さを感じないのですよね。かといって甘味以外の味を感じるかというとそうでもなく、まあ何というか全体的にあまり味がしない。で、2年ほど前にも思い立ってあんずを買いこんでいろいろ作ったことがありますが、正直言ってわたしはあんずがそれほど好きでないのです。どちらかというと苦手なほうかもしれません。あんずを食べて「おいしい」と思ったのは、いつか初夏にパリで食べた小さくて甘味も酸味も強いものくらい。あんずというと特に日本では生よりもジャムやドライのものが多いけれど、どれもいまいち。。


それなのに、今年は「短い旬の時期に産地にいたから」というそれだけの理由で、なんとなく大量に買ってしまったので、買ったきり使うあても(食べるあても)なくしばらく放置。。あ、そろそろやばい、という頃に、あわてて一気に使い切り作戦。
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洗って拭いてへたを取って瓶に入れ、砂糖をざらざら投入。ついでに、同じく大量買いして放置されかけていたアメリカンチェリーも。


で、どぼどぼっと。
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ブランデーを投入。あんずのブランデーを作るのです。うちは母が毎年あんずをホワイトリカーに漬けてあんず酒を作っているようなのですが、今年はわたしも一緒に。あんずは好きじゃないけど、あんずのお酒は嫌いじゃないのです。


ただ酒を入れればいいんだよね、と思いつつ一応レシピを物色して、参考にしたのがこちら。ウォッカを使っていますが、勝手にブランデーを使うつもりで既に買いこんであったのでブランデーで。さくらんぼも同様に。


あんずもさくらんぼもブランデーもまだ残っていたので、ついでにもうひとつ。
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あんずとさくらんぼのブランデー漬け。Petersham NurseriesのカフェレストランのシェフSkye Gyngellの本My Favourite Ingredients (Quadrille Publishing, 2008) に載っていたさくらんぼのブランデー漬けのレシピを参考に、ブランデー、砂糖、水を鍋で温めて、熱いうちに果物と合わせます。


レシピではさくらんぼは丸ごと、枝も種もついたままで漬けることになっていて、その通りにしましたが、あんずは4つ割りにしました。
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温まったブランデーの香りがふんわりと漂います。


で、この果物のブランデー漬け、上の果実酒と何が違うのかというと、主たる目的がお酒か果物かというところでしょうか。つまり、果物の風味を漬けたお酒が作りたいか、お酒の風味をつけた果物を作りたいかということ。果実酒のほうは果物を漬けた状態で3か月ほど置き、果物を取り除いて酒を瓶詰したらさらに数か月寝かせて熟成させます。ブランデー漬けのほうは、冷暗所で1週間ほど置いたらもう食べられるとのこと。その後は冷蔵庫で1年くらいは持つそうですが、長く漬けると果物の味が酒に負けてしまうので、その前に食べてしまったほうがいいのかなという感じ。


で、これはレシピで「さくらんぼが完全に浸るように」と書いてあったのですが、分量通りに作ったら結構頭が出てしまったため、えぇいとブランデー追加。結構たくさん入れたので、レシピの分量から離れてしまう、と思い砂糖も追加。 …でもブランデーも砂糖も適当に追加したので、結局レシピ通りじゃないんですが(汗)、ま、いっか、と。(いいのか?)
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ところで果実酒のほうも、レシピでおもしろいと思ったのは、分量通りに作ると、果物が全部はお酒に浸からないのです。使う容器にもよるでしょうが、レシピの写真でも全部は浸かっていないので、それでいいらしい。少なくとも日本の果実酒のレシピは、たいていは果物が完全に酒に浸かるようにするようなので、大丈夫なのかなあ、と思ったのですが、その代わりなのか、毎日、砂時計のように瓶を逆さにするとのこと。最終的には全体が浸かればいいのですかね。(たぶん)


…と思ったのですが、結局なんだか心配になって、こちらもどぼどぼと酒を追加してしまいました。。砂糖は…えーと、追加したかどうか忘れてしまった(!)。
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それでも全部は浸かってないんですけどね、、そんな適当な作り方ですが、とりあえず3か月後が楽しみです。 …って言いつつ漬けてからもう半月経っているので(汗)2か月半ですね。



***



さて、それから7月の中旬にさしかかった頃。母の知人で、あんずの木をお持ちの方がいて、毎年いただいているそうなのですが、今年も採りにいくよー、というので梅雨明け前の小雨の降る朝、わたしもくっついて行きました。
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あんず好きでもないくせになぜ行ったかと聞かれそうですが、あんずの木は見たことがなかったし、やはり木になっている果物を自分でもぐというのは、それだけで何だか嬉しいのです。


もうあんずの季節も終わりに近づいていたこともあり、もう実もまばらという感じでしたが、木に残っている分は全部いただきます(!)というわけで、雨のなか脚立にのぼってほいほいと。


もうあまり残ってないかな、と思ったのですが、採ってみると結構あります。
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だいたい採り終わったらこんなに。


このほかに、その日の朝に木の下に落ちていたのを拾っておいた分を山盛り分けていただきました。
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木から採ったのも熟れていたけれど、落ちたのは完熟したものなので、明らかにこちらのほうが一段柔らかく色も濃かったです。なかなかいい香り。


ちなみに、このとき先日ご紹介した青いくるみの実も一緒に採らせていただきました。そう、本当はあんずが目的だったのです。ついでにくるみもいただいてうほうほでした。♪


で、いろいろいただいたお礼のつもりでお菓子を作ってみました。
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せっかくなので何かあんずを使ったお菓子で、ついでなのでくるみも使ったら、と考えて決めたのがリンツァートルテ。本来はアーモンドがたくさん入ったスパイスのきいたクッキー生地に、ラズベリーなどのジャムを塗って焼くものですが、むかーし昔持っていたお菓子の本に、生地にくるみを使うものがあって、母がそれが大好きだったのです。あんずとベリーも味は全然違いますが、酸味のきいた果物という点では同じなので、あんずでもいいんじゃないかと。


実はリンツァートルテは数年前にも信州にいる間に作ってみたのですが、そのとき使ったレシピは意図していたのとちょっと違ったので、今回はいろいろ探した結果、これを参考にして、アーモンドをくるみに代えて、それも完全に粉状にはせず、ナッツのざくざくした感じが少し残るようにしました。
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果物は普通ジャムを使うのですが、せっかくなのであんずはできるだけそのまま使いたいと思い、軽く砂糖をまぶして置き、水分が出たところで水気を切って使用。それでもまだ水分が多いかなと思い、まずはあんずジャム(※自家製。後述)を薄く塗り、コーンスターチを軽くふって、その上にあんずを並べました。そして思いつきでブルーベリーも(これも地元の別のお宅からのいただきもの)。


で、、、本来ならナッツ生地をのばした上にジャムを塗り、その上にまた生地を格子状にかたどるのですが、、、生地が足りなくなった!(汗)ため、格子模様のはずが縞模様になってしまいました(汗汗)。あららー、と思いましたが、やり直しがきかないので強行で焼きに入る。。


でもまあ、こういうもんだと思って見れば、縞模様でもいいよね、、(ということにしておく)。
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このお菓子、作るのが特に難しいということはないのですが、何が大変ってくるみの薄皮を剥くのが大変なのです。なので焼きあがったときには感無量(おおげさ)。ま、食べるのはあっという間ですが。


小さなトレイに1個しかできなかったので、半分に切って差し上げて(これだけだと寂しいので別にチーズケーキも作った)、残りはうちで食べました。
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予想通り、くるみの風味あふれるリッチな生地にあんずの酸味が合っていておいしかったです。母も「そうそう、こんな味だった」と喜んでくれたのでよかったかな。んが、写真を撮って食べ終わってから気付きましたが、上に粉砂糖ふるのを忘れた…。あぁ。。



えーさて、山ほどいただいてきたあんず。何を作ろうか考えているうちにどんどん熟れてきて、また悪くなってももったいないので、母ががさっさとアプリコットソースを作ってくれました。


お酒に漬けるのと並んで母が毎年作るというそれは、あんずをざくざく切って柔らかくなるまで煮て、砂糖を入れて甘みをつけたもの。できあがりは結構さらっとしていますが、あんずは加熱するとかなり水分が出るので、水も加えないそうです。
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で、そのソースがたくさんあったので、少し拝借して、さらに煮詰めてジャムを作ってみました。上の写真のいちばん手前がジャムで、あとはソース。色も濃度も少し違うのがわかりますでしょうか。


ときに、わたしはあんずは生でもジャムでも好きじゃないと既に書きましたが、このソースが大きな鍋いっぱいに作ってあったとき、ふたを開けたら何とも言えないいい香りがしたのです。それがかなり衝撃で、俄然もっといろいろお菓子を作ってみたくなったのです。


まず、瓶詰したばかりのソースをまた拝借して、簡単なアイスクリームを。
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ソースに、七分立てくらいにした生クリームとブランデー少々を混ぜて凍らせ、固まったところでまたブレンダー(ミキサー)にかけてなめらかにし、甘みをみて足りなければ砂糖を少し足して再度冷凍。それだけです。これがとってもおいしかった!ソースさえあればあっという間にできます。あんずの酸味がクリームと合っています。ちなみに上の写真はミント、アーモンド、ホワイトチョコレートを入れたブラウニーと一緒に食べました。


そして、最近購入した本からも、あんずのレシピを探していろいろ。
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あんずとブラックベリーのタルト。焼きあがりは果汁がたっぷり出てます。


ライ麦粉を混ぜ込んだ簡単なパイというかタルト生地に、薄くジャム(上で作ったもの)を塗り、さらにジャムを軽くまぶしたあんずとブラックベリー(ここの家の畑で採れたもの。今年はまだですが去年の分が冷凍してあった)を載せて生地で包みこみ、シナモンシュガーをふって焼きます。
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パイとかタルトの類は面倒なので(汗)、最近はもうずっと作っていなかったのですが、これはKim BoyceGood to the Grain: Baking with Whole-Grain Flours (Stewart, Tabori & Chang, 2010) を見てどうしても作ってみたかったものです(この本についてはまた今度)。ちなみに本ではボイセンベリーという、ラズベリーとブラックベリーを合わせたようなものを使っています。


こういうざっくばらんな感じのアメリカンなお菓子は好きだし、ライ麦粉を入れるのもおもしろいなと。
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温かいうちにバニラアイスを添えて。ちょっと、というかだいぶ形が崩れてますが、しかもアイスが溶けまくってますが(すんごい暑い日だったのです、、)、、気にしない気にしない。


そして、この本と一緒に買った別の本からも。
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さくらんぼとあんずのアーモンドコブラー。写真が上とそっくりですね、、(汗)えーとこちらは軽く砂糖をまぶしたフルーツに、アーモンドペースト(マジパンのようなもの。わたしはマジパンで代用)をたっぷり使った生地を載せて焼いています。David LebovitzReady for Dessert: My Best Recipes (Ten Speed Press, 2010) のレシピです(元はさくらんぼのみ。半分あんずにするのはバリエーションとして載っていました)。これ、アーモンドの風味たっぷりの生地がおいしい!これもアイスクリームとかを添えて食べたらいいだろうなーと思いつつ、そのままでも十分おいしい。


あんずとさくらんぼのお菓子をもうひとつ。
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クラフティです。上のブランデー漬けと同じくSkye Gyngell著、My Favourite Ingredients に載っていたさくらんぼのクラフティのレシピを、さくらんぼとあんずで作ってみました。さくらんぼは本当は丸ごと種もついたまま作ると風味がよいそうなのですが、小さい型で作った関係上、生地に埋まりきらないのでさくらんぼは半割りに。先に軽く煮ておいたものを、一部は生地の中に焼き込み、残りは汁ごとソースとして仕上げにかけます。あんずは生のまま生地に焼き込みました。


クラフティは卵っぽさがちょっと気になるので、実は特に好きでもないのですが、、、ついつい。これはアーモンドと生クリームを使った生地が、卵っぽさも気にならずおいしかったです。ちなみにレシピはこちらでも見られます。*追記:よく見たら微妙に違ってました!配合は似ていますが、煮たチェリーの一部を取っておいて仕上げにかけるなどの部分が違うようです。すみません。


あんずとさくらんぼは、同じ種類の果物で、同じ時期に旬を迎えるというのはありますが、一緒に使うとよく合うのですよね(ついでに言うと、アーモンドも植物としては同じ種類に属するのです)。なので、自然とそんなお菓子を多く作っていた気がします。



***



さて、そのあんずとさくらんぼのブランデー漬けも、気づいたら作ってから2週間ほど経っていました。涼しい戸棚にしまいこんでおいたのをいそいそと取り出してみました。
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さくらんぼのほうは、果実の色が抜けてブランデーがアメリカンチェリー色に。あんずのほうは、逆にブランデーの色が薄くなっていました。不思議~。


既述のように、もともとはさくらんぼのレシピですが、そこに載っていた食べ方をさっそくいくつか試してみました。
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ブランデー漬けのさくらんぼを少量のバターとともに少し煮て、熱いうちに冷たいアイスにかけます。これ、絶対おいしくないわけはないと思いましたが、やっぱりおいしい。


もうひとつは、またしても!あんずとの組み合わせ。
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生のあんずを焼いたものに、マスカルポーネチーズを添えて、そこにブランデー漬けのさくらんぼを汁ごとかける。あんずの酸味に、甘いさくらんぼとチーズのまろやかさがよく合います。


さて、あんずのほうは、ブランデー漬けとはいえ、やはり生のまま食べても今ひとつぴんとこなかったので、こちらも軽く加熱。
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あんずはブランデーの漬け汁ごと、はちみつ少々を加えて軽く煮て、水きりをして濃くしたヨーグルトに添えてみました。刻んだピスタチオも一緒に。あんずのソース(またはコンポート)をヨーグルトに添えたら朝食という感じですが、ここはブランデーがきいているので午後のデザートといった趣です。はちみつを加えたせいか、あんずはねっとりと甘かったです。


あんずでもうひとつ。
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四つ割りにしてあったブランデー漬けのあんずをさらに薄切りにし、軽く焼き目がつくくらいローストします(わたしはオーブントースター使用)。トーストして薄くあんずジャムを塗ったバゲットに、ブリーチーズとともに載せてみました。ジャムを使っているし、ブランデー漬けにも砂糖は入っているのですが、できあがりはそれほど甘くなく、ブリーチーズと合わせたことで、お菓子というよりはおつまみかなと。


おつまみならば、と飲むものも一緒に準備。
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このルビー色の飲み物は、ブランデー漬けのさくらんぼ…の漬け汁を炭酸水で割ったものです。お酒ではなく果実のほうがメインとはいえ、この漬け汁がしっかりさくらんぼの風味がついておいしい。これを使わない手はないというものです。そのままちびちび飲んでもおいしかったですが、わたしは割ったほうが飲みやすくて好みでした。ちなみにあんずの漬け汁もおいしかったですよ。


ところでこのさくらんぼ、そのまま食べたら、ちょうど中までブランデーがじっくり沁み込んで、じんわりとおいしい!母などは、お菓子もいいけどそのまま食べたい、と言っていました。で、そのまま食べてもいいけど、暑いので凍らせてみるか、というわけでひと晩冷凍庫に。
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これ、酒がたっぷり沁み込んでいるので、ガチガチには凍りません。そして凍ってもブランデーがガツンと効いています。うまー。予想外に(!)おいしかったので、さくらんぼがあるうちにまた作ろうと思っています。


ちなみに、一緒に盛り付けたのは、さくらんぼのソルベ。上述のDavid Lebovitz著、Ready for Dessert のレシピ。砂糖と水で少し煮たアメリカンチェリーを汁ごと凍らせ、それをブレンダ―でなめらかになるまで回しただけ。これ、すっごいおいしかった!さくらんぼそのままの味(当たり前)なのですが、そのまま食べるよりも濃厚。暑い日々にはもってこいです。


で、暑い割には結構焼き菓子ばかり作っていたのですが、ここ数日はほんとーーに暑かったので、さすがに冷たいお菓子が食べたくて冷菓続きとなりました。
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こちらは抹茶とホワイトチョコレートのムースのあんずソース添え。もともとは、簡単なパンナコッタ(牛乳と生クリームを加熱するだけ)にする予定だったのですが、あんずのソースと組み合わせるにあたり、もう少し濃厚な味にしたほうがいいかな、と思い、もう少し手はかかりますがこちらのレシピを参考に、ホワイトチョコレートを溶かしこんで作ってみました。


あんずと抹茶というのは意外な組み合わせかもしれませんが、ずっと昔に渡辺みなみさんの本でそういう組み合わせのお菓子があったことを思い出し、いけるかな?と試してみたところ、これがぴったり!抹茶にはいちごなどのベリーを合わせることも多いので、果物の酸味が合うのかもしれませんね。ムース自体もおいしかったのでまた作ります。


さて、そのあんずソースを使った上述のアイスもおいしかったのですが、ここ数年、夏になると凝って作っている、はちみつだけで甘みをつける簡単なアイスも作りたくて、生のあんずを軽く煮るところから作ったのがこちら。
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ラベンダーで香り付けしたあんずのアイスクリーム。はちみつで煮たあんずに、ラベンダーを入れてひと晩冷蔵庫で寝かせ、その後ラベンダーは取り除いて、泡立てた生クリームと合わせて冷凍しました。


信州ではラベンダーも多く栽培されているらしく、束で見つけたので買ってみたのだけれど、、えーと、実はわたしはラベンダーもあまり好きじゃないんですけどね(!)。でもあんずとラベンダーの組み合わせは海外のレシピでたまに見かけるので、比較的よくある組み合わせなのかもしれません。さっぱりしておいしかったです。



***



というわけで、、(ぜいぜい)この7月は、すっかりあんずにはまっていたのでした。
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これだけ作ると、実はいただいたあんずだけでは足りなくて、その後またお店で買っています。でも気付いたら1週間くらい前にもうみかけなくなってしまいました。なので今年のあんず漬け生活は終了。


何度も書いているように、あんずは苦手だったのですが、加熱したソースの何とも言えないいい香りと、甘いお菓子を引き立てる酸味が、あんずを見直すきっかけになりました。


あんずは生のまま食べても甘味も酸味も中途半端でたいしておいしくないと思っていたのだけれど、加熱すると(甘味はともかく)酸味は引き立って味がはっきりするのですね。
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今でも、生のままではやっぱりそんなにおいしいとは思わないし、桃やネクタリンと比べたらそれはそちらのほうがやっぱり好きなのですが、あんずもなかなか悪くないな、と今は思っています。



小さい頃から、ほとんどの果物は好きでしたが、そんななかで数少ない苦手な果物がいちじく、柿、あんずでした。以前からブログをご覧いただいている方はご存じかもしれませんが、いちじくは大人になってからすっかり改心(?)し、今では大好きです。これであんずも(ほぼ)克服したので、残るは柿か。ま、柿については「好きになろう」という気も特にないので、近い将来柿好きになる見込みはないんですけどね、さてどうかな。
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ともあれ、来年の初夏にもうひとつ楽しみが増えました!
by zo.chika | 2010-07-27 01:11 | 一日一膳