冬深まり、色失せる山奥。
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パリ、東京、長野 (前編)

芸術の秋ですから。 ↑ 強引な並べ方ですが。。
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食ってるだけじゃないよ。いやほんとに。







秋の始まり、、、っていつの話ですか?という感じですが(汗)。9月の終わり頃に、長野市に出かけてきました。
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…まだ山の紅葉も始まりかけたばかりの頃の話です。ちょっと肌寒い日でした。


東京から長野新幹線に乗ると、終点が長野駅なので、まあ、長野市が北のほうにあるということは辛うじて知ってたのですが、、、知っているのはその程度で、正確にはいまいちどのあたりにあるのか知らないまま(って、それを言ったら、長野県の中で自分が滞在している立科町がどのあたりにあるのかも、実はあやふやなんですが、、、 とにかく 汗)車に乗せられて行ってきました。


途中、高速に乗っても、なんだかんだと1時間くらいかかったでしょうか。長野市街に出たら、信号がたくさんあって驚きました。ってなんて低次元な、、失礼きわまりない意見ですが、いや普段はたまにしか信号を見ないのですよ、ほんとに。


途中こんな看板を見かけて思わず激写しつつ向かった、わたしの最初の目的地はこちら。
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美術館です。 この写真で見ると役所の裏みたいですね。ってまた横暴な発言ですみません。汗


広々とした公園の一角にたたずむこちらは、日本画家の東山魁夷の美術館。正確には長野県信濃美術館・東山魁夷館です。日頃、美術への造詣は恥ずかしいほど浅いわたしですが、日本を代表する風景画家である東山魁夷の絵はもちろん幾度ともなく目にしています。おそらく意識して最初に見たのは小学校の国語の教科書の表紙だったような気がするのですが、以来、彼の描く世界、透き通るような青にはずっと惹かれていました。


彼の作品を集めた美術館のひとつが長野にあることは聞いていたのですが、長野県には来ていても長野市まで足をのばす機会もなく、これまでに訪れたことはありませんでした。それが、9月最後の週末に、母が所用で長野市に行くことになり、「一緒に行って東山魁夷館に行ってくる?」と誘ってくれたので、約1か月前から楽しみにしていたのでした。
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母が用事を足している間、わたしは美術館のところまで送ってもらって、しばし単独行動。


…で、展示作品については、もちろん写真などはありません。思ったよりも展示点数が少なかったのですが、それは所蔵作品の保護のためもあって、1点につき展示期間は1年のうち数か月に限られているとのこと。原則として、1年に4回ほどテーマを決めて展示内容を変えているのだそうです。なので、所蔵作品を全部見ようと思ったら、少なくとも1年間に間を置いて4回来館しないといけないわけですね。

そんなわけで、以前から好きだと思っていた絵はなかったのですが(ここに所蔵されているとは限りませんしね)、やはりすばらしい作品は多く、いくつか特に気に入ったものもあって、じーっと眺めて満足。ちなみにわたしは、美術館・博物館等をまわるのはかなり早いほうです。興味がないところはさっさと通り過ぎます。(いばることではありませんが。)


ひととおり観終えて、売店でちょっとした買い物をし、さて外に出ようかと思ったところで、館内に併設のカフェ発見。
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なんとなく引きこまれるようにカフェに入り、迷わず外の席へ。中のテーブルはそこそこ埋まっていましたが、外の小さなスペースはわたしひとりきりでした。この頃はまだ、外の席に座ってもぎりぎり平気なくらいの気候でした。9月末だったからね。


そういえばその日は朝食をろくに食べておらず(というか、前の晩寝ていなかったような気もする)、時間は既に1時半をまわっていたのですが、でもそれほど空腹でもなかったので、コーヒーとバームクーヘンのセットを注文。コーヒーをすすりつつ、売店で買ったばかりの本を開く。


さて、たまーに美術館に行って、何か買うとしたらだいたい気に入った作品の絵葉書なのですが、この日は結局、絵葉書は1枚も買わず、本を2冊買っていました。
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ひとつは、画家本人の短いコメントがついた、新書サイズの小さな画集。そしてもうひとつがこちらの『コンコルド広場の椅子』(東山魁夷 著、新潮社、1993年)でした。


東山魁夷といえば、透明感のある色合いの風景画という印象が強かったのですが、この本は見慣れた画風とは趣を異にした、スケッチ画のような絵に、画家本人が言葉を綴った絵本のような形になっていました。パリの中心、コンコルド広場に置かれた椅子が語る物語です。


パリの街を歩いたことがある方は、街なかの広場やちょっとした公園にたくさん置かれている椅子を目にしたことがあると思います。ただの椅子なのに、なんだかそこにあるだけで絵になる気がして、何度となくカメラを向けてしまうのは、きっとわたしだけではないはず。

パリ リュクサンブール公園 2008年6月



恥ずかしながらわたしは、東山魁夷がこのような詩画集を出していたことも、そもそもヨーロッパに留学していたことも知りませんでした。画学生だった頃から40年ぶりに訪れたパリで、以前は気にも留めなかったという広場の椅子が目に付き、その椅子にパリの心が生きているのをみたという画家の言葉は、この小さな本を最初から最後まで見てからあとがきで読んだのですが、それを読まずとも、ひっそりとたたずむ椅子に街の心が息づくという感覚はこの小さな本の絵と短い言葉に表現されていました。そしてそれはまた、わたし自身も自然と感じていたことでした。


著者がパリを訪れたのは1975年。詩画集ができたのはその翌年でした。
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この本に収められた絵はすべてこの東山魁夷館に所蔵されてるそうですが、わたしが訪れたときには展示はありませんでした。でも、有名な作品や心ひかれる作品も多く展示されていたのに、この日わたしの心を奪ったのは、皮肉なことに最後に売店で手に取ったこの小さな本でした。


すっかりパリに飛んでしまった心に、コーヒーを飲みながらゆっくりとその余韻を楽しみ、今度こそ美術館を後にしました。
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またここを訪れる言い訳ができました。




さて、この美術館があるのは、長野市街にある城山公園というところ。
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すぐ手に届きそうな近さに山が控えています。


椅子の本を買ったせいか、やっぱり椅子が目に付く。
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もっとも、普段から椅子ばかり撮ってるかもしれませんが。


公園はひろびろとして散歩によさそうでしたが、この日は他にも目的があり、また気づいたらかなり時間が経っていたので、待ち合わせまでの時間を考えると、そうそうゆっくりもしていられませんでした。


しかし、そうは言っても、ここまで来たら、ここに寄らないわけにもいきません。
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紅葉が少しずつ始まっていました。


城山公園の隣にあるのは、長野といえば、な善光寺。長野県に来たことがない方でも、「牛に引かれて善光寺参り」という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。はい、あの善光寺です。


この日の前に、わたしは善光寺に行ったことがあるのかどうか母に聞いてみたところ、物心ついたくらいの頃に、父方の祖母と一緒に来たことがあるという。ええ、もちろん覚えてません。なので、気分的にはこの日が初めての善光寺参り。その割には裏口(横だけど)から入りましたが。だって公園から行くとだとそうなるんですもん。。
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広い境内をのんびり歩き、ぷらぷらと本堂の前へ。
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老若男女でごった返してました。


美術館に行く途中、善光寺の裏を通ったとき、駐車場に大型バスがひっきりなしに出入りし、人があふれかえっているのは見えていましたが、この日何か特別な行事があったというわけではなくて、年中これくらい混んでいるらしい。いや、さすがというかなんというか。


ときに、今年の2月に長野の別所温泉を訪れた際に、北向観音堂というお寺に行ったのですが、そこは南向きの善光寺と向かい合わせに建てられており、片方に詣でたらもう片方も詣でなければならないということになっているのだとか。片方だけだと「片詣り」というのだそうで、、、ちょうどいいので(違)善光寺でもお参りしておきました。激混みなので、さらーっと。


で、とっとと人ごみを抜けて、本堂の裏へ。
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表側の賑わいが嘘のように静かでした。

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かなり紅葉が進んでいる木も。この秋最初の紅葉らしい紅葉でした。 えーしつこいようですが、これは9月の終わりでしたから、はい。


裏口から入ったので、帰りは表から。堂々と(?)表参道を通って出ました。
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厳密にどこまでが境内になるのかよくわからないのですが、大きな門をふたつくぐってもまだ小さなお寺のような建物が続きます。もちろん、土産物屋や蕎麦屋なども。

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ちらっと土産物屋を物色しつつ、待ち合わせ時間を気にしつつ、参堂をまっすぐ進んで次の目的地へ。
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それがこちら、ギャラリー・カフェ夏至。器、生活道具、布ものなどを揃えた、カフェも併設したお店です。

長野行きが決まったときに、東山魁夷館の次に思いついたのがこちらのお店でした。というのも、春頃に美容院でぱらぱら見ていた雑誌のカフェ特集なる記事に、こちらのお店(だと思われる)が紹介されていて、行ってみたいなー、でも長野市は遠いなー、と思っていたのを思い出したからです。自分で買った雑誌ではないので、正確な店名などが思い出せず、記憶を頼りにネットで検索して、たぶんここのはず、とたどり着いたのでした。

で、お店にたどり着いた時点で、待ち合わせ時間まであと15分。しかも、魁夷館の横で待ち合わせだったので(!)、そこまで戻るのは無理な(というか戻りたくない)ので、電話して母にここまで来てもらいました。一緒に店内をちょっと見て、いろいろすてきな品はあったのだけれど、最初に目に付いたのがふたりとも同じものだったので、買って帰ってきました。カフェでお茶もしたかったのだけれど、この日は時間がなくなってきていたので、残念ながら買い物のみ。でも、お店も売り物も、お店のお姉さんもすてきでした。また行きたいなぁ。



さて、このお店以外で買い物をする予定は特になかったのですが、善光寺の参道(仲見世通り)を歩いていたら、山門のすぐ近くのいかにも目立つところにある、見るからにこじゃれた土産物屋についつい入ってしまい、ついつい買い物するはめに。
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最初は、木のスプーンしか買うつもりなかったのに、気づいたら食べ物も結構買ってました。こちらは九九や旬粋というお店。商品のパッケージもちょっと垢抜けた感じで、有名なお店なのでしょうか、店内はかなり混んでいました。長野といえば、な野沢菜のパスタ(まだ食べてない)と、ごまだれ入りのそばだんご(普通)。

そしてもうひとつ
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うやうやしく箱に入ったバームクーヘン「一和」。


このバームクーヘンは白と黒があって、白はくるみ、黒は竹炭と黒ごま。両方試してみたかったのだけれど、さすがに2個は買いすぎかいね、と思いとどまり、とりあえず白のみ。


これはコーヒーかな~♪というわけで、10月のある日、コーヒーを淹れて、いざ、入刀。
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…。


「うーん、お茶が合いそうだよね」と母がひとこと。
はい、どう考えても緑茶って感じの味でした。。


でもせっかく淹れたからコーヒーで食べましたけどね。
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ところで、この時点まで気づかなかったのですが、わたしはこれを買ったとき、どうも「くるみと白ごま」だと勘違いしていたのです。食べる前に写真を撮って、よくよく包装を見てみたら、白ごまとはどこにも書いてない。なーんだ、ははは。


しかし! これ、食べてみたらなぜか白ごまっぽい味がしたのです。むしろ、くるみというより白ごま。なんで?? 理由を深く考える前に、なぜか全部なくなってしまいましたが…。



さて、これと時を前後して、またバームクーヘンを食べる機会がありました(機会も何も自分で買ったんだけど、、、)。
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見慣れた年輪状の縞模様とはちょっと違うこちらは、クラブハリエのバームクーヘン。焼きたてをその場で切って売っているやつです。ふわふわで、バームクーヘンというよりケーキみたいです。賞味期限は当日中なのですが、冷蔵庫に入れて数日後でもいちおう大丈夫でした。ヒソヒソ。


この焼きたてバームクーヘンは、クラブハリエの店舗でも売っているところが限られているらしいのですが、東京だと日本橋三越(新館)でしょうか。



というわけで、夏の終わりくらいから信州に山ごもりしていますが、実は10月のなかばにしれっと東京に戻っておりました。
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でもこの写真は信州。東京に戻る日の夕方の空です。東京では1枚も写真を撮らなかった。。


*だらだらと後編へ続きます。
by zo.chika | 2008-11-11 23:23 | 散歩