冬深まり、色失せる山奥。
by zochika
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いたい、かたい
でもおいしい。
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自然の仕組みってすごいねえ、と改めて思わされる秋の味覚。動物の執念もすごいけど。







例によって時を遡ること数週間。。。10月の初め、そろそろ栗が落ちてる頃じゃない、と母が言ってからしばらく経った日のこと。例によって忙しくしていましたが、ちょっともう遅いんじゃないの、と言いながら(そんなことばっかりやってますが…)慌てて山へ栗拾いにでかけました。
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…そしたら、ほんとに遅かった。。。ほんとに、ぜんぜん落ちてないし、たまに見つけても、見事に虫食いばかり。(悲)


栗は、熟れると木から落ちるのですが、落ちるやいなや虫に食われるのだそうで、落ちたらその日のうちに拾うのがいいのだとか。しかし、このときは、その虫食いの栗さえもほとんど落ちていませんでした。つまり、誰かが毎日、かなりこまめに来て(栗に虫がつく前に)拾っているということ。こりゃあ、集めた栗を売ってるんだろうなー、と母。ここのところ物価が上がっているし、そういう人もいるんだろうねぇ、と話しながら、仕方なく別のスポットへ移動。


今度はちょっと奥まった場所だったのですが、そこも既にかなり荒らされた後で、やっぱり目ぼしいものは落ちていない。足元の草むらをさぐりつつ、あー、せっかく楽しみにしてたのに、がっかりさせちゃったね、と母が言う。と、
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ふと横を見たら、栗のイガが木の上に落ちている…?

と思ったら、普通に栗の木の枝についていたのでした。いや、目の高さに栗の実が生るとは思っていなかったのでびっくりしたのでした。

で、上を見上げると、
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あら、あそこにも。
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あらあら、まだあった、あった。


栗は熟したらイガがはじけて、自然に木から落ちるわけですが、その前に木をゆすったり枝を投げたりして栗を落としたりしたっけ、と母が言うので、じゃあ、と思って回りを見るも、ちょうどいい枝もないし、だいたい足元に草が生い茂っているので、落としてもどこに行ったかわかりづらい。


それじゃあ、と脚立を運んできました。
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ときに、なぜ脚立がすぐ出てくるのかというと、それはこの場所が、ここのうちで持っているりんご畑の隣だったから。別に普段から脚立を携帯しているわけではありません(当たり前)。


でこぼこの草むらに脚立を立て、上にのぼると、ほれほれ。
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見上げていた栗が目の高さに。


それでもまあ、そんなに大量にあったわけではないのですが、とりあえず小さなかごにいっぱいになりました。
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わーい。

うきうき喜びつつ写真を撮ったら、イガは取って捨てて帰ろうというわけで、軍手をしていても容赦なく突き刺さるイガと格闘しつつ、イガを取る。



…取ったら、
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こんなちょっとになった(ガーン)(涙)。


いやあ、もともと小さいし数もたいしてなかったのですが、イガから出してみたら、既に結構虫食いが多かった。また、イガのなかには栗がいくつか入っているのですが、イガがはじけたところで大きいのが落ちてしまっているのかどうか、ますます小さいのしか残っていませんでした。それで、食べられそうなのがこれだけ。ああ、悲しい。。


がっかりしながら帰路についたところで、母が「山胡桃ならいっぱい落ちてるかも」というので、途中で車を降りてみると、あった、あった。
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この真っ黒い物体が山胡桃。山に自生しているので山のくるみ、と呼んでいるようですが、いわゆるオニクルミとか、ヒメクルミとかいった種類のものだと思われます。

ところで、くるみの実は殻に入っている、というのは当たり前に知っていましたが、じつはあの固い殻の上にもうひとつ、薄い皮がついています。周りにちょっと残っている、茶色いのがそれ。実が熟れると、その皮が破れて実が殻ごと落ちてくるのだそうです。
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これ、前にもらって食べたことはあるのですが、落ちたばかりのところは初めて見たので、あまりに黒くてびっくり。黒いのは土か、泥か、、、。落ちたばかりなのかどうか、まだ皮も殻の表面も湿っています。


これはたくさん落ちていたのですが、後で書きますが割るのが大変なので、あまり大量には取らずに帰宅。帰ったら、まずはたわしでがしがし、ごしごしと殻を洗います。
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何度も何度も洗って、ようやく胡桃らしき色が見えてきました。

それでも普通のくるみに比べると黒っぽいですけどね。ちなみに山胡桃は普通のくるみよりひとまわり小さいのですが、山で拾ってきた栗(山栗だ)も普通に売っている栗より小さいです。

そして、殻ごと洗ったくるみは、通常は日に干して乾かしてから食べます。一般に出回っているくるみは、そうやって乾かした状態で売られているのだそうです。採ったらすぐに食べられるわけじゃないんですねえ。


洗って干すのは、山胡桃に限らず普通のくるみも同じ。で、後日、知人の家の庭にある木になったくるみをおすそ分けしてもらいました。
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自宅用なので、洗ってはあるもののまだ少し汚れもありますけどね、うちで食べるぶんには十分です。そして、まだ完全に乾いておらず、干し途中という感じ。なんとなく皮が湿った感じなのがわかるでしょうか。

で、これをさらに数日日に干しておくわけですが、実は、意図的に、干す前の「生」の状態で食べることもあるのだとか。
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くるみは、殻を割って出てきた実に、さらに薄皮(渋皮)がついていて、食べられないわけではないけれど、ちょっと苦いですよね。しかもこれをきれいに取るのが難しいのですが、生の(干して乾燥させる前の)くるみは、この渋皮がぴぴーっとはがれるのです。 …って写真でははがれてませんけどね、、、完全にはがれるわけではないです。食べても苦くないですけどね。

実を食べてみると、普通のくるみのように、カリッとか、コリッというよりも、なんというか、ぽりぽり、というのでしょうかねえ(意味不明)。当然なのですが、味が若いというか、生っぽいのです。味はあまりないのですが、普通のくるみとは明らかに違う食感で、思い出したのは夏にパリで食べた生のアーモンド。あちらは熟れる前のアーモンドで、こちらは干してないけど熟れているくるみなので、ちょっと違うのでしょうけど、食感なんかはそっくりでした。


これはこれでおもしろいけど、まあ、味は普通のくるみのほうがおいしいかなー。
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というわけでこちらは、完全に乾いたくるみ。お店で売っているような状態のものです。

普段、お菓子作りなどに使うくるみは、面倒なので殻を剥いた状態のものを買って使っていますが、殻を割って出したばかりのくるみは、やはり風味が違います。ナッツは脂肪分が高いので、殻を取って時間が経つと、どうしても酸化してしまうのですが、剥きたての新鮮なくるみは食感が軽いです。ほんとうは軽くローストしたほうがいいのでしょうが、思わずそのままぽりぽり食べちゃいます。大量に使うときは、ひとつひとつ殻を割るのは手間がかかるけれど、おやつにして食べていると、気づくと空になった殻がうず高く積みあがっていたりして、、(汗)。


ちなみに一緒に写っているのは、鉄製のくるみ割り。長野県在住の鉄細工の職人さんに作っていただいたもの(だったと思う)(確か)。
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こうやって2枚のお皿の間にくるみを挟んで、がしっと挟むとばきっと割れます。小さい頃、家にあったくるみ割りは、木製でねじのようになった形だったのですが、こちらのほうが簡単に割れるかな。

…というか、今にして思うと、くるみ割りというのは普通に家にあるものではないのでしょうか?あまり深く考えたことがなかったのですが、殻つきのくるみ自体、そんなにどこでも売っているわけでもないし、普通はどうなんでしょうか。うーむ。


まあ、普通のくるみは、くるみ割りがなくても割れますが。
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ときに、さきほどの山胡桃。しばらく軒先に放置しておいたら、だいぶ乾きました。こうして比べてみると、普通のくるみよりひと回り小さいのがわかりますでしょうか。


先にちょっと書きましたが、この山胡桃、サイズは小ぶりですが、殻はおそろしく硬いです。普通のくるみは、殻が2枚合わさったようになっていて、その間に少し隙間がありますが、山胡桃はびっちりと閉じていて、まさに石のように硬い。鉄のくるみ割りでも全然割れません。

なので、強硬手段。
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庭先の石でガツンと叩き割る(汗)。いやほんと、これくらいしないと割れないのですよ。あ、今気づいたけど、鉄のくるみ割りをカナヅチ代わりにして叩き割ってもよかったのか…(ちょっと違)

もともと小ぶりな山胡桃は、中の身も小さく、さらにぎっちりと詰まっているのできれいに外すのは難しい。爪楊枝などでほじくり出すとボロボロになってしまいます。このように、小さいうえに実を取り出すのが大変な山くるみは、商品として流通しづらいせいか、東京などで店頭で見ることはまずないかもしれません。少なくともわたしは見たことがないです。こちらでは、産地直売所などで見かけたことはありますけどね。取りづらくて食べづらい山胡桃ですが、味は濃くておいしいので残念です。


でもまあ、普通のくるみもおいしいし、ま、いっか。
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ちなみに、ここで写真に撮っているくるみは、今年の秋採れたばかりの新物。隣町でくるみ農家を兼業されている母の知人の方から譲っていただいたものです。長野県はくるみの生産量が日本一なのだそうですが、そのほとんどが、東御市(以前の東部町)で採れるのだとか。

生産量日本一とはいっても、現在、日本で手に入るくるみは、ほとんどがカリフォルニア産など外国産でしょうから、実際に出回っている量は輸入分を入れた全体量に比べるとかなり少ないのではないかと思います。そう考えると、非常に貴重品。実際、長野県産のくるみは(長野以外でも国産のものは)、土産物屋や、製菓材料店などで買うと、結構な値段がついています。


で、それを、、
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どーんと5kg!(!!)


殻つきのままなら長期保存できるとはいえ、いったい何に使うつもりなんでしょうねぇ>自分。お菓子屋でも始めるのかと笑われましたが、、いや、始めませんよ。。

通常、市場に出荷されるくるみは、熟れたところで落ちる前に実を木から取ってしまうことが多いそうです。それに対して、こちらのくるみは自然に落ちたものを拾い集めているのだそうで、「よそのくるみみたいにきれいじゃなくて…」とおっしゃっていたそうですが、それだけ完熟のくるみということですよね。地面に落ちたくるみを洗うのは大変な手間でしょうから、ほんとうに頭が下がります。それを今回は、非常に良心的な価格で譲っていただくことができて、感謝感激です。


そんなわけで、栗は残念だったけれど、くるみは嬉しい信州の秋でした。
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こうしてみると、イガも殻もナッツ類が身を守る鎧なわけですよね。イガにも硬い殻にもめげずに食べてますけどね、動物も人間も。


そういえば、今年はなんだか栗を食べそびれて、このとき拾ったごく少量と、あと近所の産直で1~2回買ったくらい。それも、まずくはないけど特別おいしいというわけでもなく、、、栗ごはんにしてもらったのはおいしかったですが。でもなんだか消化不良気味なので、栗の名産地から栗きんとんでも取寄せようかと悩む今日この頃です。ああ、食欲の秋。
by zo.chika | 2008-11-01 23:59