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銀、銀、銀、金
現在熱戦真っ只中の北京オリンピック、本日終了した体操競技について、きわめて個人的かつ偏った感想を。
※きょうは写真はありません。







日本選手もメダル獲得や上位入賞を達成した今回のオリンピック。わたしはスポーツ観戦は好き(なはず)ですが、じつは今年は1度もテレビ映像を見ていませんでした。ネットなどのニュースは追っていたので、それなりに結果は見ていましたが、その程度。


***


先日、競泳では8冠を期待されて北京入りしたアメリカのMichael Phelps(マイケル・フェルプス)選手が見事それを達成してみせましたが、その結果と同時にもうひとつ気になっていたのが、アメリカの女子体操選手、Shawn Johnson(ショーン・ジョンソン)選手の結果。2007年の世界チャンピオンの16歳は、出場する4部門で4個の金メダルを期待されていました。

そして迎えたきょうが最終日。ここまでの時点でジョンソン選手の獲得メダルは銀3個。団体ではアメリカ代表各選手のミスが響いて中国に金を奪われ、個人総合では過去2年間ずっと勝っていた相手である同じアメリカ代表の選手Nastia Liukin(ナスティア・リューキン)の完璧な演技に金を許し、そして種目別の床では1番手という不利な順番でも高得点をあげたものの、最後の最後でルーマニアのSandra Izbasa(サンドラ・イズバサ)選手に得点を上回られて終わっていました。

女子体操のチャンピオン、金メダルの大本命とされていながら3回チャンスを逃したジョンソン選手に残されたチャンスはあと1回、きょうの平均台でした。で、わたしは例によって競技の中継は見逃し(汗)、すべての競技が終わったあとにニュースを見て知った結果は、金。最後の最後で、まさに「やっと」勝ち取った金でした。


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と、前置きが長くなりましたが、白熱の競技をリアルタイムで見逃したわたしとしては、心に残ったのがニュースで聞き知ったジョンソン選手の談話。世界のトップレベルの運動選手はみんなそうなのかは判りませんが、あどけない顔や話し方とは裏腹に、16歳とは思えないほど考えや態度が落ち着いているな、というのが最初に受けた印象でした。


中国チームの一部選手に年齢詐称疑惑があるなか、団体総合優勝を中国に譲りわたした。
In the end, we’re more than happy and proud to represent the USA wearing silver around our necks, (...) We respect the Chinese for what they’ve done. They had a great meet and brought their game.
何にせよ、わたしたちはアメリカ代表として銀メダルを胸にしていることを嬉しく、誇りに思っています。 (…) 中国チームの成し遂げたことに対しては敬意を表したい。彼らはすばらしい試合をして、自分たちの勝負をしてみせたのですから。

個人総合で、金メダルはチームメイトのリューキン選手へ、自分は銀メダルを取ったことについて。
Nastia deserves the gold, (...) She has worked really hard.
I deserved what I got today.

ナスティア*は金メダルにふさわしいわ。 (…) 彼女は本当にがんばってきたんだもの。
わたしには、今日の結果が相応だった。

*個人総合優勝したチームメイトのリューキン選手

最終日の前日、銀2個に続きこの日の種目別の床でも惜しくも銀メダルで終わり、残すところあと翌日の1種目という時点で。
I had a great time out there.
(きょうの試合は)楽しかった。
Sandra had an amazing routine. She deserved it.
サンドラ*はすばらしい演技をしてた。彼女は(金メダルに)ふさわしいわ。
*床競技で優勝したルーマニアのイズバサ選手

1番目で自分の演技を終えて、残りの選手の演技をひとりずつ見守り、笑顔も拍手も絶やさなかった。
There might be people who would think I was sitting and hoping they’d fall and stuff, (...) but it’s totally the opposite.
わたしが座って(他選手の演技を見ながら)、落下したらいいとかそんなことを考えてるんだと思っていてる人もいるかもしれないけど、 (…) まったくその反対なのよ。
It’s not an act, (...) I know everything I went through to get here, and knowing what it takes, I want (opponents) to do their best also because they’ve given up their life to the sport. Even if I was in last place today and everyone else did their best, I’d be happy.
(他の選手を応援しているふうに)演技してるわけじゃないのよ。 (…) 自分がここに来るまでに乗り越えてきたことは自分でよくわかっているし、ここに来るまでに何が必要なのかをわかっているからこそ、(競争相手)にも自分のベストを尽くしてほしいと思うの。だって彼らだって体操のために人生をなげうってきたのだから。仮にわたしが今日、最下位だったとしても、他の選手がみんな自分のベストを尽くしたのだったら、わたしは嬉しかっただろうと思うわ。

惜しいところで金を逃す場面が続いたにも関わらず、常にスマイルを絶やさず、不満やストレスをまったく表に出さなかった。
Of course, when you go to the Olympic Games you try to win gold, (...) But I’m happy to be here and win any medal. I’m a three-time Olympic medalist. It’s the biggest thrill.
もちろん、オリンピックに行ったら金を狙うものだけど、 (…) でもわたしはここに来て、どんなメダルでも取れれば嬉しい。わたしは3回オリンピックのメダリストになったんだもの、こんな嬉しいことはないでしょう。

小柄な体で、高度な技を正確に、力強くこなすのが持ち味のジョンソン選手に対して、今回のオリンピックでは細身で優雅な演技の選手のほうが高得点を持つ傾向が見られた。
The first time it did hurt a little, (...) But I go by, everything happens for a reason and for some reason the judges were giving me scores I’m not used to. But they had a reason. It did upset me a little, but I thought about it and I decided, I was at the Olympic Games, I was having the time of my life and I’m winning medals.
最初は実際、ちょっとこたえたけど、 (…) でもわたしは、何事も理由があって起きるものだと思っているの。そして今回の審判は、何らかの理由で、わたしが取ったことのないような得点をつけてきた。でもそれには理由があったわけだから。確かにちょっといらついたけれど、でも自分でそれについて考えてみて、こう思ったの。わたしはオリンピック大会に来ていて、最高の時間を過ごしてるじゃない、って。メダルだって取っているし。

金メダルではなく銀メダルを取った経験から得たもの。
When you do get (silver) you feel different emotions, but I looked back and appreciated that I had a medal, (...) If it were gold, it might feel differently. I don’t know how to explain it. I definitely came to appreciate it. I wouldn’t trade my silver medals for anything in the world. Not even gold.
(銀メダル)を取ると、いろんな感情が入り混じるけど、でも振り返ってみたら、メダルを取ったということに価値があると思ったの… (…) もしそれが金だったら、また違う気持ちだったかもしれないけれど。なんて説明したらいいかわからないけれど、でも銀メダルの価値を認めるようになったのは確かよ。わたしの銀メダルは、世界中のどんなものとも代えられないわ。金メダルですらね。


そして今日、最終日の平均台の競技で、ついに金メダルを獲得。
I kept saying, ‘finally’ a lot, (...) I made it. I finally won a gold medal. I can’t stop smiling. I’m so excited.
「やっと」って言葉が何度も出た。 (…) やったわ。やっと金メダルを取ったのよ。もう笑みが止まらない。本当に嬉しい。
It’s crazy, (...) I remember seeing Nastia have hers from the all-around and it is so pretty. Silver is really pretty, too. … It’s the best feeling ever.
もう、すごい!… (…) ナスティアが個人総合で(金メダルを)受け取るのを見ていたんだけど、すごくきれいなのよ。銀メダルも本当にきれいだけど。 … もう今までで最高の気分よ。

最後の競技前は雑念を振り払って自分の演技をすることに集中した。
I wanted to do my best routine. I didn’t want to leave the Olympics thinking I could do better.
自分の最高の演技をしたかった。もっと上手にできるのに、と思いながらオリンピックを終えたくはなかった。

すべて終わってから今回のオリンピックを振り返る。
Coming in, I really wanted it, (...) But I mean, I didn't care what I got. Any medal or no medal at all, I just wanted to come out here and give the best I could. To end with a gold, though, really made me feel - proud.
(オリンピックに)来るときには、本当に(金メダルが)欲しかった。 (…) でも、本当は何を取るのだって構わなかった。どのメダルだって、あるいは何のメダルも取れなかったとしても、とにかく(オリンピック)に来て、最高の自分を出したかっただけ。でも、最後を金メダルで飾れたのは本当に…誇りに思うわ。

最後にひとこと。
The eighth time was the charm...
8度目の正直だったわね。



***


ついに金メダルを取ったあとの感想はもちろん、心の底から嬉しいという気持ちがあふれていてよいのですが、そこに至るまでの間、どんな理由であれ惜しいところで金を逃し続けるという、そんな苦しい時期に出てきた、前向きで力強く、かつ謙虚な言葉にぐっときました。ジョンソン選手に限らず、彼女が勝った相手や負けた相手、さらには、あらゆる競技の出場選手全員が(そして、出場できなかった選手にも)、それぞれにドラマがあるのだと思いますが、今回はわたしはこの16歳の小さな選手に大きく力づけてもらった気がします。

個人的には、むかーしから体操は好きな競技でした。中学生くらいの頃、えらいはまって、自分でもやりたい!なんて思ったりしましたけど、中学生になってから思っても遅いんですよねえ(はっはっは)。ここしばらくは、もうずっと体操観戦からも離れていたのですが、テレビでダイジェスト版の放送を観ながら、やっぱりいいねえ、と思った夏の夜でした。

*参考記事: 
Shawn Johnson more mature than her coach
Olympics: 'Nastia deserves the gold,' Johnson says
Johnson only sees the silver lining
Gracious Shawn Johnson eyes gold in balance beam
Finally, gold
Shawn Johnson finally golden
Liukin and Johnson: New power pair 他
by zo.chika | 2008-08-19 23:44 | ひとりごと