冬深まり、色失せる山奥。
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冬と春の間
やや冬寄り(当時) 
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春が来る前に。




先月、ロサンゼルスから久しぶりに東京にいらしていたJoyceさんと、朝7時に築地で待ち合わせして朝から中トロ・うに・いくら丼を食らっていたのですが、そのときに、アメリカからのお土産を山盛りいただきました。ひとつは、「何か欲しいものある?」と聞いてくださったJoyceさんに即答でお願いしたもの。れいの白いやつハワイに住んでたときから愛してやまない、あれです。
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そして、それと一緒にいただいた袋に入っていたのは、雑誌Bon Appetit (March 2008)。じつは!欲しいものは?と聞かれたとき、何でもいいからアメリカの料理雑誌を1冊、読み古しなり、空港ででも買ってもらうなり…と書きかけて、いや、本は重いしなぁ、メジャーなやつは東京の本屋でも買えるし、と思いとどまったのでした。だから、実際に言葉にして伝えたわけではないのに実現したので、びっくり!これって以心伝心だ!とはしゃいだのでした。

さて、その日の帰りの電車で雑誌をぱらぱらめくっていて、目に付いたのがこんな特集。じわーん、べたーっ、でろーん、みたいな(なんじゃそりゃ)。そして、こういうお菓子は十中八九甘い!と相場が決まっています。これぞアメリカンの本領発揮!という感じですが、どっちかというと、冬っぽいお菓子なイメージがあるような。でもこれ3月号なんですよねえ。ふむ。
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さて、「くるみ&キャラメルのバナナ・アップサイドダウン・ケーキ」だの「はちみつ、デーツ、ピーカンナッツのタルト」だの、どっしりがっつり甘そうなお菓子のなかで、特に目を引いたのが「ドゥルセ・デ・レチェ&チョコレートチャンク・ブレッドプディング(dulce de leche and chocolate chunk bread pudding)」というレシピ。

…ドゥルセ・デ・レチェ?に、チョコレートチャンク?の、ブレッドプディング??って、どの要素をとってもわたしの好きなものばかりじゃ~ん、と思ったとき、ふと、Joyceさんからいただいた、もうひとつのお土産が頭をよぎる。
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それは、Scharffen Berger のダークチョコレート。カリフォルニアはバークレー発の、アメリカのスーパーで売ってるなかでは相当いけている、そのままかじってもOKなチョコレートですが、お菓子に使ってもおいしいので、じゃあ、これを使って、このレシピだ!と電車のなかで決定。…なんか最近、焼き菓子というとパンプディングしか作ってないような気がしないこともないけど、気にしない気にしない全然気にしない。

ときにレシピでは、名前は「チョコレートチャンク」となっているけれど実際にはチョコチップを使うことになっていて、まあそれはいいんですが、ドゥルセ・デ・レチェについては、市販のドルセ・デ・レチェ味のアイスクリームソースが使われていました。うーん、、、日本じゃその辺では売ってないしなぁ、、せっかくおいしいチョコを使うならちゃんとしたドゥルセ・デ・レチェがいいよなあ、、としばし考えた結果、自分で作ることにしました。
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**以下、ドゥルセ・デ・レチェの作成についてだらだと。**
(ご興味のない方は飛ばしてくださいね)

ときに、ドゥルセ・デ・レチェ(dulce de leche)とは、南米でポピュラーな、砂糖を加えたミルクをキャラメル化するまで煮詰めたもの。フランスのコンフィチュール・ドゥ・レ(confiture de lait)と同じようなものですね。本来は、生乳から作るものなのでしょうが、家庭で手軽にできる作り方としては、缶入りのコンデンスミルクを缶ごと数時間茹でる、というのがあります。

缶詰を茹でる…って、何だかすごいものがありますが、実はこの調理法(?)を最初に知ったのは大昔、中学生か高校生の頃、イギリスのお菓子の本で見たバノフィー・パイ(banoffee pie)でした。これはバナナとトフィー、クリームを詰めたパイなのですが、そこではトフィークリームを作るのにコンデンスミルクを缶ごと茹でていました。その発想に驚いたのもさることながら、キャラメル味のソースができるというのが何とも甘美な響きで、いつかやってみたい、とひそかにあこがれたものでした(おおげさ)。

なので、数年前に初めてコンフィチュール・ドゥ・レやドゥルセ・デ・レチェの存在を知ったときも、コンデンスミルクを缶ごと茹でるという作り方を見て、あ、あのトフィーと同じだ、と思った。

で、話が長くなりましたが(いつもか)、さっそく自分で作るにあたり、いちおうレシピなどを数箇所で確認してみたのですが、同じ缶を茹でるにしても、茹で時間が結構まちまちで、2時間というのもあれば、8時間!とか。茹で時間が長いほど、キャラメル化が進むわけですが、まあ、だいたい3~5時間というのが多くて、自分で持っているお気に入りの本に載っていたコンフィチュール・ドゥ・レの作り方でも4時間、となっていたので、今回は茹で時間4時間に決定。

さて、ドゥルセ・デ・レチェの作り方を検索すると、各所で問題になっていたのは、「密封された缶を茹でると爆発する危険がある」という点でした。それを避けるために、缶に小さな穴を開けて茹でるとか、そもそも缶の丸茹でという方法を捨てて、中身を耐熱容器に入れてホイルで覆ってオーブンで蒸し焼きにするとか、いくつかのリスク回避策もあるようです。

が、わたしは、基本的に缶が完全に水をかぶった状態であれば爆発することはない、という説を採用して、大鍋(パスタ茹でるようなやつ)にいっぱい水を入れて茹でることにしました。お湯の残りをちょくちょく確認するにしても、湯量が多いほうが蒸発してなくなるリスクも小さいかな、と思ったわけですが、巨大な鍋にぽつんと1個缶を茹でるのってなんだかもったいない気もして、、それなら2~3個一緒に作ればよかった、と思いました。茹で時間は一緒だし。いや、そんなにいっぱいできても困るんですが。

とにかく、鍋を火にかけて沸騰させ、火を弱めて放置すること4時間。缶が爆発することもなく、無事できあがった(はずの)ドゥルセ・デ・レチェは、あら熱が取れたらすぐに使えるのですが、わたしは鍋に入れたまま冷まし、ひと晩おいて翌日使いました。
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で、できたのがこんなん。
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ひと晩置いて冷ましたせいなのか、思ったよりも固め(ガチガチではない)。そして、開けた瞬間は、思ったよりも色が薄く感じられて、もう少し長めに茹でればよかったかなぁ、それとも火が弱すぎたのか…?などと思ったのだけれど、改めて見てみると、結構ちゃんと色はついてました。
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そして、味も正真正銘、ドゥルセ・デ・レチェだ~(と思う)。

しかし、コンデンスミルクはコンデンスミルクなわけで、こんなもん1缶もあってどうしよう、何に使おう…と思いましたが、あ、そうだったブレッドプディングだよ、と思い出す(おい)。で、改めてレシピを見たら、レシピ全量で作るとこれ1缶じゃ足りないかも…ってことはないけど使い切りそうな勢いでした(汗)。アメリカンなレシピは大量に出来すぎるので、例によって適当に減量。チョコは砕いて、パンはブリオッシュを使用(パンのみみを取るのは省略)。

それにしてもこのお菓子、コンデンスミルクは大量に使うわ、チョコは入るわ、パンは普通のパンよりもリッチなブリオッシュ系を、さらにバターでトーストするわ、さらに卵液には牛乳じゃなくて生クリームだわ、、もう作っているそばから(というかレシピを見ただけで)頭痛がしそうな濃厚さ。。。
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そして、出来上がりも負けず劣らず濃厚なのでした。

さすがにコンデンスミルク(が原料のクリーム)を大量に使うので、生地には砂糖は加えられていません。焼く前にグラニュー糖を少しふって、食べる前に粉糖をふるくらい。わたしは焼く前のグラニュー糖は省略しましたが、食べる前にはさらにチョコレート(溶かす)とドゥルセ・デ・レチェ(生クリームでのばす ←さらにカロリー上げてどうする、、)をかけてみました。
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こりゃー見るからにヤバいねえ、と家族も引いて寄ってきましたよ。「これ、このキャラメルソースみたいなのとチョコ以外、砂糖入れてないんだよ~」と言ってみましたが、なんとも説得力ないというか、それくらいじゃこのヤバさは変わらないというか。。ちょっと全体的にパンの量が多かったみたいで(適当に入れたので、、)完全にソースが染み込みきっていない部分がありましたが、そうとうヤバい味でした。また作るべきか、どうするべきか。。


さて、ブレッドプディングは量を減らして作ったので、ドゥルセ・デ・レチェはまだ結構残っていました。作っているときから、こんなにたくさんどうしよう、と考えて思いついた使い方が、これ。
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いちごのドゥルセ・デ・レチェとチョコレートがけ。いちごのチョコがけというのはあまりに定番ですが、そういえば、コンデンスミルクって日本ではいちごにかけて使うのがほとんどじゃないか、ということで、キャラメルとチョコレートの相性がいいのは言うまでもないので、じゃあ、と試してみた次第。(自作ドゥルセ・デ・レチェはそのままでは固かったので、温めた生クリームを加えて、いちごを浸しやすい濃度にのばしています。)

これ、危険でした。いちごは例によってあまおうを使ったのですが、そのままでも甘い品種なので、キャラメルとチョコがかかるとちょっと甘すぎたくらいかも。チョコだけの場合よりも、きれいに仕上げるのが難しい(というか、わたしには無理な)のですが、たとえばドゥルセ・デ・レチェをいちごの下半分くらいだけにとどめて、それをすっぽりチョコで覆えば、見た目はただのチョコがけいちごなので、食べる人の驚く顔が見られておもしろいかもしれません。
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こうして、お菓子に使った残りのドゥルセ・デ・レチェは、コーヒーに入れたり紅茶に入れたり(ときどき舐めたり)しているうちに、あっさり終わってしまいました。 …やっぱり、せめて2缶くらいは作っておけばよかったなあ…と思ったりして。いやいやいやいや。

ところで、これらを作ったのは、2月末で、そのときはまだ結構寒かったので、こんな濃いぃお菓子もよかったのですが、ここ数日は東京もぐぐっと暖かくなってきて、冬というよりは春めいてきました。そろそろ、もう少しさわやかなお菓子が似合う時季でしょうか。
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おいしいお土産に、おいしいの素、そしておいしいお話をどうもありがとうでした!>Joyceさん♪

*お菓子以外の花の写真は、また別件のいただきもの。
前回の京都の記事本文更新しました。
by zo.chika | 2008-03-09 07:41 | 一日一膳