大寒のころ
しんと冷えた部屋で一寸の春を思う瞬間。
いちごの季節がどんどん早まり、出盛りが真冬のさなかになった昨今でも、いちごを見ると春のイメージを思い描きます。いちごのお菓子もしかり。
これはフレンチトースト仕立てのいちごタルト(tarte de pain perdu aux gariguettes)。タルトなの?フレンチトーストなの?どっちなの??という感じですが、イメージとしては、パンプディングをタルトのように仕立てたというところでしょうか。
Eric Kayser のタルトの本
Les tartes d'Eric Kayser (Flammarion, 2006) をお友達に譲っていただいたので(どうもありがとう!)、そのなかから作ってみました。基本のタルト生地から、フルーツやチョコレート、さらにはおかずタルトまで、見目麗しいタルトのレシピが満載のこの本で、なぜ最初に作るのがタルトじゃなくてパンプディングなんだ??という至極もっともな疑問を持たれる方もあると思いますが、、ええとしつこく書いてますがうちのオーブンは下火がまったく利かないので、繊細な焼き菓子は難しいのです。ということでここはひとつ大目に見てください。
さてこのパンプディング(タルトだけど)、作り方がちょっと面白くて、パンのスライスを温めた牛乳と、溶き卵(わたしは軽く泡立てました)に順に浸して型に並べるのです。砂糖は、このパンをオーブンで焼く前に、カソナード(フランスのブラウンシュガー)を上に少々振るだけ。普通は卵と牛乳と砂糖を全部混ぜたところにパンを浸すことが多いと思うので、へーっという感じ。
パンは天然酵母パンという指定ですが、たまたまデパートで
メゾン・カイザーのパンが出ていたので、そこで買った普通のバタールを使用。レシピでは、パンの耳は落とすことになっているのですが、今回は型に平らに敷き詰める分以外は、そのまま並べて焼いてしまいました(↓)。
レシピの名前にもなっているガリゲットとは、フランス産のいちごの品種。甘酸っぱくて香りがよいそうなのですが、ここでは日本が誇るいちごの芸術品、
あまおうを使ってみました。焼きあがったフレンチトーストの上に、薄切りのいちごを並べ、また少々のカソナードとバターを散らしてグリルで焼き、焦げ目をつけてできあがり。
非常に簡単にできるこのお菓子、砂糖は控えめですがじゅうぶん甘く、パンというよりお菓子に近い仕上がり。焼いたいちごから果汁がじわっと出て、それがちょっといちごソース風になってパンにしみこんだところが特においしい。個人的には、いちごがちょっと薄すぎて、火が通り過ぎてしまった気がするので、今度作るとしたらもう少し厚めに切ることにします。
さて、見た目も華やかで春らしいこのお菓子ですが、これを作ったのは大寒の翌日のさむーい日。さらに、翌日(今日だ)は雪になったらしい。らしい、というのは、実は東京にいるというのに、雪を見損ねたのです(汗)。寝る頃、「あー雪だ!」と家族が言っていたのは知っているのですが、外を見る余力がなく寝てしまい、起きたらもう雨に変わっていて、雪は跡形もなく消えていました。敗因は、寝たのが朝8時で起きたのが午後2時であった点かと思われます(雪に限らずあらゆる面で負けてる気がしますが)。。
東京は、先週末も雪の予報が出ていて、そのとき、雪が降ったらそれに合わせて作ろう!と決めていたお菓子のレシピがあったので、前日に材料も買っておいたのですが、そのお菓子にいちごを使うので、今回のタルトはそのついでで作ったのでした。結局、そのときは(うちのあたりは)雪は降らず、予定していたお菓子も作らず。。そして今日の雪も見事に見逃し、そのお菓子も作り損ねた次第です。ふ。悔し紛れにタルトの写真だけ(しつこく)載せておきます。
ちなみに、1週間以上前(汗)に写真だけ載せた、
去年の年末の京都旅行の記事の本文を更新しました。例によって意味もなく長く写真が多いのですが、お時間のある方はよろしかったらご覧になってみてください。