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冬深まり、色失せる山奥。
by zochika
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夏のハーブ(+野菜も)
もうすっかり秋です
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台風も来ていることだし。夏に未練はありません。




が、夏の話は続くのであった、、、なにせ作って写真だけ撮ってブログにたどり着いていない料理が山ほど(汗)。ええまあぼちぼちと。

これもそんな料理のひとつ
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レンズ豆、アボカド、山羊チーズのサラダ。名前も見た目もとりたてて特徴的でもなく、どっちかというと地味なひと皿ですが、そんな表面とは裏腹に、おそろしく(わたしにしては)手がかかっています。

レシピは、ロンドン近郊のPetersham NurseriesのシェフSkye GyngellのA Year in My Kitchen (Quadrille Publishing, 2006) より。持っている料理本のなかでも、結構いろいろ作ってるほうで(ブログ記事ではこことかここ)、大好きな本です。

で、大好きな本なんですけど、ここのうちのレシピはわりと「ひと手間かかる」ものが多いんですよねえ(それが味の深み、重なりにつながっているわけですが)。それでもわたしが作っているのは簡単なほうなものばかりなんですけれど、、そんななかでもこのサラダは結構、手間ひまかかってます(難しいわけではない)。

まずはレンズ豆の準備から
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レンズ豆の蒸し煮。にんじんやらたまねぎやらの香味野菜と、何種類ものハーブ、そしてスパイスを加えて火を通します。レンズ豆自体は、調理時間の短い豆ですから手軽なので、手間と言っても材料揃えるところくらいですかね。。味のしみた豆は、熱いうちにシェリービネガー、たまり醤油(!)、ごま油で和えて仕上げます。これがおいしくて、もう、そのままで食べられるくらい。

このレンズ豆の蒸し煮は、本の冒頭「Toolbox(道具箱)」というセクションに含められています。ここは、この本のレシピの要素となる各種の「部品」を載せたもので、スパイスミックスからドレッシング、ハーブオイル、レリッシュ、豆のピュレなどさまざまなものがありますが、このサラダはまさにそんな「部品」を組み合わせてできているようなもの。
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じっくりローストしたトマトもそのひとつ。プチトマトにオリーブオイルをふってゆっくりオーブンで焼いたセミドライトマトは他でもでも作っていますが、こちらはもうひと回り大きなプラムトマトを使い、オイルではなく砂糖をふって低温で焼いています。

このほかに、同じように低温のオーブンでじっくり焼いた赤たまねぎのロースト(前にも使ってます)と、それからバジルの葉とにんにく、オリーブオイルをピュレにしたバジルオイル(これが大変だった、、)を準備すれば、あとはサラダはアボカド、山羊チーズを載せていくだけ。「部品」さえあればすぐできるサラダです(感覚的にいまいち納得いかない気もしますが)。ちなみにサラダはとってもおいしかったです。

で、当然というか、「部品」を全部いちどに作るわけはなく、ある程度は日持ちするものばかりなので、数日に分けて用意しています。そして、レシピより少量に作っても、サラダに使っても残るので、もちろん他の料理にも使います。
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パプリカのピエモンテ風。焼いて皮をむいたパプリカを半分に割り、トマト、にんにく、アンチョビ、オリーブなどを入れてオーブンで火を通したら、モッツァレラチーズ、そして件の赤たまねぎのロースト、バジルオイルを載せていただきます。レシピ通り、本来のモッツァレラ(水牛乳のもの。タイミングよく安売りになっていた)を使ったら、これがもうとろけるよう!名前からも材料からもわかるとおり、夏のイタリア!という感じの味でした(ってどんなんだ)。

と、この2品は、7月上旬(関西に行く前だ、、)に作っていたようです。この頃はまだ、夏の素材で夏の料理を作るのが楽しみだったりしてたんですけどねえ(遠い目)。

その後、少々間があいて、8月
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上の2品でもバジルオイルにたくさんバジルが入っていますが、今年の夏は、今までにないほどハーブをたくさん買って使った気がします。この本とかこの本のレシピを作っていたあたりから、既にバジルやミント、さらには香菜まで!(大の苦手でした)、たくさん使っていましたが、8月に入ってからはさらに消費拡大。

パセリもたくさん使っているけれど、最近はパセリというとイタリアンパセリ一辺倒で、ひと昔前、日本でパセリといえばこれだった(しかも、刺身のつまでしか見たことなかった)。葉がくるんとした濃緑のパセリは、すっかりご無沙汰していました。でも今回はこちらが主役。
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オーガニックの元気なパセリを大量に使った、きれいな緑色のパセリのスープ。半量は軽く湯がいて緑色を残し、半量はじゃがいもやリークなどと一緒に煮込み、最後にミキサーにかけてなめらかなスープにします。この「普通の」パセリは、イタリアンパセリよりも味が柔らかいせいか、大量に使っているわりにはスープもやさしい味。

そして、スープといえば
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夏になる前にも作った、冷たいアーモンドのスープ。前回は、ちょっと旬に早いイマイチないちじくを使って残念な思いをしましたが、今回は頂きものの甘くてみずみずしいいちじくを使ったので、満足な出来。さらに、一緒にいただいたぶどうも使ったので(このスープは通常はぶどうを使うことが多いもよう)、おいしさも2倍増な勢いです。ナッツやオリーブオイルの味がぎゅっと詰まった、非常に濃厚なこの料理、スープというよりはソースのように、果物を多めにして食べるほうが個人的には好みです。

これらの料理はすべて、季節ごとに章立てされたこの本の「夏」のセクションのレシピですが、さて、夏の間に他に何を作るかねえ、、と思っていたら、Waitrose Food Illustrated(イギリスのスーパー、Waitroseが出しているフード雑誌。スーパーが出しているとは思えない充実ぶりです)の8月号(August 2007) のシェフ特集が、ちょうどSkye Gyngellでした。しかもテーマはハーブ。しかもあまりにもタイムリーなレシピが。
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山羊チーズとレモンタイムのスフレ(レシピはこちら)。先日、生のレモンタイムを近所で見つけて嬉しくて買ったものの、少量をお菓子に使ったあとは、さて何に使おう、、と思っていたところだったので、本当にちょうどよかった。レシピよりはかなり全体量を減らして作っていますが、それでも大量にレモンタイムを使うので、オーブンで焼いている間じゅう、レモンのいい香り(レモンは入らないのです)。山羊チーズとの相性もよかったです。

ちなみに、通常は深いココット型で作られることが多いスフレですが、このレシピでは平ための皿が使われていて、こういうスタイルも気取らなくて好き、とシェフがわざわざ書いているのだけれど、、、うちには逆にそういう平たい(オーブンに入れられる)皿がなかった。。なので、見た目としては代わり映えしないものになったのでした。

そして、もうひとつ
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ミントアイスクリーム。材料は生クリーム、牛乳、砂糖、卵黄、バニラビーンズ、水、生のミントの葉、以上。この鮮やかな緑は本物のミントの葉の色なのです。ミントってこんなに緑が出るんだ~、と以前、(失敗したケーキの)シロップを作ったときに思ったものですが、この正真正銘のミントグリーンはなかなか感動ものです。

生のミントの葉をアイスクリーム生地に入れ込んで作るアイスは、実はこの夏、別のレシピで試そうと思っていたところだったのですが、このレシピが違うのは、葉をさっと湯がくところと、残った茎の部分を砂糖と水と一緒に煮出してシロップに風味を移すところ。まさにSkye Gyngellらしい「ひと手間」だなあ、と思った次第。

最初、暑いさなかに1回作ったとき、あまりにきれいな色と、あまりに鮮烈で濃厚な味にガツンと頭をやられる思いでほんとうに感動したのですが、そのときは暑いさなかでフラフラになりながら作って食べたので(そんなときに作るなよ…)、写真を撮る元気もなく、そしてちょっと元気のないミントを分量より少なく使ったので、きちんと作り直そうと思っていました。なので今回の写真は2回目のもの。2回目だけどやっぱり感動しました。
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これ、ほんとに大量のミントを使います。レシピの1/3量で作ったのですが、それでもミントは葉と茎あわせて30g程度。よくスーパーで見かけるパックでいうと、2~3個は使ったような。

ミントアイスというと、どうもチョコレートを合わせたくなり、溶かしたダークチョコをかけてみたり、あるいはカカオニブをふったりして楽しみましたが、何もせずそのままでも本当においしい。もう、そのへんで売ってるチョコミントアイスには戻れません。アイスクリームは、アイスクリームメーカーを持っていないのでほとんど作らないのですが、かなり高脂肪のクリーム(脂肪分47%)と牛乳(同4.2%)を使ったのと、冷凍庫に入れる前にミキサーにかけて結構、空気を含ませたせいか、ざらっとした舌触りもほとんどなく、おいしくできました。見た目も味も夏!なこのアイス、夏は終わったけどまた作って食べたい。(そして秘蔵の出遅れ夏ネタはまだ続く。)
by zo.chika | 2007-09-06 23:52 | 一日一膳