冬深まり、色失せる山奥。
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冬の味覚
ちっとも冬らしい天気じゃないなぁと思いつつも強引に堪能 
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スペインより来たるイギリスの冬の味覚、Seville Orange。セビルオレンジという名の示すとおり、スペインはセビリア地方特産のオレンジです。
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同じスペインでもバレンシアの名がついた甘いオレンジとは異なり、これはビターオレンジと呼ばれる苦味が強く生食に適さない品種(*ちなみにビターオレンジでもうひとつ有名なのがBergamot[ベルガモット]。お茶のアールグレイの香り付けに使われる、あれです)。で、苦くて生では食べられないこのオレンジ、地元セビリアではほとんど消費されず、1月後半の収穫期になると大量にイギリスに運ばれてきて一斉に店先に並ぶのだとか。

わたしがこのオレンジの存在を初めて知ったのはもう何年も前、イギリスの料理雑誌か料理サイトかだったと思います。冬の短い期間の間だけ、それもほとんどイギリスだけで出回るというスペインの苦いオレンジとはどんなものなのだろうと、ずっと興味をもっていました。そして今年、幸運にもその「冬の短い期間」にイギリスにいることができたので、店に無造作に並べられた生のオレンジを、ほくほくと買い込んで来たのでした。

そして、セビルオレンジといえば作るものは相場が決まっているのです。
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、、、ええと、それはマーマレード。イギリスに運ばれてくるセビルオレンジの圧倒的多数が市販品であれ自家製であれマーマレードになるのではないでしょうか。香りが高く苦味の効いたマーマレードができるので、それがイギリス人好みのようす。市販品なら日本でも見かけるし、わたしも食べたことはあります。

で、上の写真と文章が一致していませんが、今回はマーマレードは作りませんでした。なぜならこちらのお宅ではマーマレードは好まれないらしい。個人的にはマーマレードは好きなのですが、あまり大量には食べないし、しかも今は各地で買ったジャム・マーマレード類を持て余している状態なのでした。というわけで、今回は違うものをちょこちょこと。
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で、ようやく本題に入れるのですが(遅っ!)、マーマレードの代わりに(?)作ったのが皮の砂糖煮、いわゆるオレンジピールです。それなりに保存もきくし。今回は2種類作成。ひとつは皮を厚めに取って長時間じっくり煮含め、さらに数日かけて乾かすタイプ(参考にしたレシピはこちら)。最後の最後にちょっとかき混ぜすぎて砂糖が結晶化してしまった(涙)。溶かしチョコレートをかけてオランジェット風にしてみましたが、おいしいけど甘い…(汗汗)。で、もうひとつは皮は薄め、果汁入りのシロップに入れてさっと仕上げるタイプ(こちら)。これは、昨年サンフランシスコを訪れた折、ここのお店で買いたかったけど高いし重いしかさばるし(瓶詰めで1kgくらいあった)で諦めたシロップ煮のセビルオレンジピールを想像しながら作成。いつか本物も食べたいぞぅ。

もうひとつ、ぜひ作ろうと決めていたのがセビルオレンジとアーモンドのケーキ。偶然、似たようなレシピを2種類見つけたのですが、小麦粉とバターを入れず、ほとんど砂糖・卵・ナッツだけで作るという点は一緒で、一方は皮のすりおろしを入れて焼きあげ、果汁いりのシロップをかけて仕上げるもの、もう一方はオレンジを丸茹でにして柔らかくしてからピュレにして全部生地に入れるもの。
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オレンジ以外の配合はほとんど同じで、どういう違いが出るか興味深かったので、いちどに作って焼成。そうしたら写真のとおり、ものすごい差が出ました(どっちもブサイクなのは一緒だけど 汗)。いずれも卵白を泡立てて入れるのでじゅうぶん膨らみましたが、表皮だけ入れたほう(写真左)は特に膨らんで、ふわふわ。味的にはだいぶ卵の味が強く感じられました。一方、オレンジを丸ごと入れたほう(写真右)は、膨らみは抑えめでしたが、しっとり。皮も全部入るので苦味があるのですが、個人的にはこちらのほうが好みでした。ちなみにこの、柑橘を丸茹でにして生地に焼きこむ類のケーキは昔何度か作っています(これとか)。

いずれにしても、かなり小さい型で作って、全体の焼き時間が少なかったせいもあるのかもしれませんが、ちょっと周りの焼き色が足りなかったかなーという印象。。。見た目はさておき、同じくスペインの特産であるマルコナ種のアーモンドを挽いて作ったので、スペインばんざいケーキということで個人的には気が済んだというか。(なんじゃそりゃ)

さて、当初の予定ではこの2種4品のお菓子を作って今回は気が済むはずだったのですが、今だけ…と思うとあれもこれもと欲張りたくなるのが貧乏性の悲しいところ。ついでに、、といろいろ手を伸ばす。
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お菓子だけじゃないぞってなわけで(誰に言い訳をしているのか>自分)、こんな一皿も。にんにく、しょうが、タイム、はちみつでマリネした鶏肉をフライパンで焼き、オリーブオイルとはちみつにセビルオレンジの皮のすりおろしと果汁を加えたドレッシングで和えた葉っぱ類と合わせてサラダ仕立てに。カリカリのベーコンとピスタチオ、ざくろを飾っています。元にしたレシピ(これ)とは相当別物になっていますが結構おいしかったです。ちなみにチキンの部分はお子様方にも好評でしたが、鶏の部分にオレンジは使っていないし。。。ははは。それはそれでおいしかったと思うのですがねぇ。

セビルオレンジを料理に使う方法としては、鶏のほか鴨料理に使うとか、魚介類(えびとか牡蠣とか)に合わせるレシピも見かけます。で、思うにこれは、位置づけが日本の柚子と似ているなぁと。苦味が強く生食しないところといい、果実そのままより皮や果汁を使うところといい。そう考えたら、ごつごつした見た目で、皮が厚くて種が大きく果実が少ないのも、そして冬の間だけしか生が出回らないところまでも、なんだか柚子に似てるではないかと。もちろん味は違うのですけれどね。

さて最後にお菓子をもうひとつ 
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…ではなくて、ふたつ。せっかく皮の砂糖煮を作ったので、新鮮なうちに(???)お菓子に転用。ひとつはオレンジとオリーブオイルのケーキ。昔作ったことがある柚子のフィナンシェ(ふうのお菓子。レシピはこちら)のオレンジ版です。ハート型でかわいくできたのはいいんですが、これ使ったオリーブオイルが風味が強すぎて、焼き上がりがものすごいオリーブオイルの味(汗)。数日経ったら少しなじんだものの、このお菓子にはもう少し柔らかい風味のオイルを使うべきでした…。

もうひとつはショートブレッド。久しぶりに作るこのレシピに、刻んだ砂糖煮と生のセビルオレンジの皮のすりおろしを混ぜて焼きました。一緒にタイムなんかも入れてみたかったけれど、そうすると誰も食べてくれなくなるので オレンジの風味をストレートに楽しみたかったので、今回はパス。それにしても、結構量を入れたわりにはオレンジの味がまったくしなかった(汗)。大昔にオレンジショートブレッドを作ったときもそう思ったので、ある程度予想はしていたんですがねぇ。どうでもいいですが、その大昔にオレンジショートブレッドを作った記録を見ていたら(2004年4月だった)、いやあ泣けてきました、あまりに懐かしくて、ではなく写真が拙くて(汗)。

ともあれ、長年の夢がかなって(おおげさ)、ひとまずセビルオレンジを満喫できて、ひとり悦に入るのでした。
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数日前の空。ずいぶん日も長くなってきたし、日中は10度以上まであがったりして、ホントに冬はいったいどこへ…?と心配していたのですが、今週は気温低めで、週の後半には雪の予報も出ています。事故やトラブルは困るけれど、ほんと少しは寒くならないともっと困りますねえ。
by zo.chika | 2007-02-06 18:12 | 一日一膳