冬深まり、色失せる山奥。
by zochika
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収穫
いよいよ本番
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しつこいようですが、暖冬気味な今年。紅葉もりんごの収穫も、平年より遅めになっているようです。先月末にわたしが山に移動した頃は、紅玉はだいたい終わっていて、王林の収穫をしていました。そして今月、このあたりの主力商品である、ふじ(袋がけをしないで作るのは「サンふじ」と呼ばれるみたいです)が収穫期を迎えます。

…が、木々の葉っぱもりんごもなかなか色づかないこの秋。
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先週(というか、11月第2週なので、先々週?)の初め、世話はほとんど終わっているので、あとは収穫のタイミングを待つのみ、という頃。毎日、りんご畑の様子を見に行くところに、くっついていってきました。

いくつか畑が散らばってあるうち、このときは山のいちばん上にある畑へ。
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標高が高いので、ここの畑がいちばん完成が遅いそう。
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まだ、全体的に色づきが薄い感じでした。
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でも、日当たりなどの関係で、木によってはかなり完成に近いものも。
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様子見がてら、いくつか採って帰ります。
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「これはねえ、絶対においしいよ」と言ってこの日、採っていたのがこちら。日本のりんごはみんな大きいけれど、これはひときわ大きい。帰って量ったら500g以上ありましたねえ。食べてみるのを楽しみにしていたんですが、よそのお宅へお土産にもらわれていってしまいました(悲)。
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というわけで、また別のりんごを。これはだいぶ蜜が入ってきていますね。このあたりのふじは、しゃきっと身が締まって、蜜がたくさん入っている、というのが売りだそうです。実ができあがって、見た目にじゅうぶんに色づいていても、ある程度冷えないと蜜が入らないのだとか。しかし待ちすぎても蜜が散ってしまうので、ちょうどいいタイミングを見計らうわけです。難しいですねえ。
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山の上の畑から眼下に広がる里と向こうの山を望む。りんごの世話をしながら、山里の景色が日々色を変えていくさまを見るのが、ささやかな楽しみなのだそうです。


さて、11月も第3週に入り、山もだいぶ色づいて、
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…というか枯れ色になってきました。
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柿の木もすっかり葉を落として、風も冷たくなってきた頃。いよいよ、出荷用のふじの収穫に取り掛かります。
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今回は、山のてっぺんの畑ではなく、もう少し標高の低い、また別のところ。といっても、じゅうぶん山の上なんですけどね。
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こぼれんばかりに実る美人さんたち。
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ていねいに、かつ手際よく枝からもいでいきます。
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わたしもひとつ採らせてもらいました。実を掴んで、ちょっとひねるだけで取れます。ちょっと感動。

じゅうぶんに蜜が入るくらい冷え込んでくる時期というのは、霜も降りるくらい寒い時期でもあります。凍みる前に一気に採りきるため、みなさん朝から晩まで畑で働きづめです。
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この時期になると、そこここに見慣れないナンバーの車が現れます。りんご収穫要員として、知人やら親戚やらが来てくれるのだそうな。
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夕方にはコンテナがいくつもいっぱいになっていました。
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収穫も仕分けもすべて手作業。小さな畑であっても、実の数は相当あるので、気の遠くなるような作業でしょう。


このあたりには昔から親戚がいたので、うちには毎年冬になるとりんごが送られてきたものでした。そうやって、産地直送のおいしいりんごで育ったわたしですが、この時期にこの地に来たのは初めてなので、りんごの収穫の様子を実際に見るのもこれが初めてでした。農家の方の働きぶりにはほんとに頭が下がります。
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おいしい瞬間を狙って採ったりんご。おいしいうちに食べてもらえるといいね。


さて、文字通り「売るほどある」りんごのおこぼれに預かっては、りんごのお菓子をいろいろ作っているわけですが、りんごが山ほどある今ならではのものを作ってみました。Desserts by Pierre Herme (Pierre Herme, Dorie Greenspan, ed. Little, Brown, 1998) という本で見つけたそれは、その名も「Twenty-hour Apples」。20時間かけて作るりんごのお菓子とはなんぞや、と思うわけです。

e0017393_2342341.jpg皮をむいて芯を取った半割りのりんご約2kgをひたすら薄切りにし、型に敷き詰めます。そこに、溶かしバター、砂糖、オレンジの皮のすりおろしを散らす、というのを何層も繰り返したら、ラップで密封して空気穴をあけ、重石をして、超低温(レシピの指示では80度)で10時間かけて焼きます。今回は、無農薬のオレンジが手に入らなかったので、レモンで代用しました。砂糖はカソナードで。

e0017393_2344344.jpg10時間後。型に山盛り積んであったりんごは、火が通ってすっかりかさが減り、キャラメルのような色になりました。これを、今度は冷蔵庫で10時間冷やします。刻んで焼いて冷やすだけ、という、ピエール・エルメのお菓子にしては作業の簡単なお菓子ですが、時間をかけて作るこだわりが、彼ならではなのかもしれません。たぶん。

そんなわけで、ほとんど3日がかりで完成にこぎつけました。
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こうやって見るとジャムっぽいですね。ええと、ところで、わたしはりんごジャムはあまり好きじゃないんですが(汗)、これはジャムほどには甘くないし、煮崩れないりんごを使っているので、果実の歯ざわりもそのまま。バターとレモンの香りが、りんごの甘さを引き立てています。

この本では、クリームやヨーグルトに添えて食べるほか、パイのフィリングに使ったりするとしています。とりあえずは簡単にそのまま食べてみました。
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軽くトーストしたチーズクロワッサンに載せて。ほんのり塩味のパンと、風味のよいりんごがよく合っていておいしかったです。マスカルポーネチーズを添えてみたけれど、なくてもよかったかな。

に、しても。いくらかさが減ったとは言っても元は2kg。すごい量ができてます(汗)。いちおう、これでパイとかタルトを作る予定。


今週(もう先週というべきか)が収穫の山場だったとのことですが、このあとも収穫と出荷の準備は続きます。
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忙しいさなかに、手伝いをするわけでもなく、ただ写真を撮るのにうろうろしていたわたしの相手をしてくださった皆様、どうもありがとうございました。りんごの産地は国内外に数多くあるけれど、わたしはここのりんごがいちばん好きです。

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by zo.chika | 2005-11-20 05:06 | 季節