今年はなんだか、春をすっとばして冬からいきなり夏になったような陽気です。信州の山の上でも昼間は既に夏のような光。でも、この記事を終わらせるまでは、春は終わりません、、わたしのなかでは。というわけで、
秋編から始めて
冬編に続く、旬の果物のタルト・春編を。2012年、13年、そして今年の春に作ったものをまとめてみました(去年は春の間うちにいなかったので、春のお菓子を作っていませんでした)。
3月の初めあたりに戻ってみます。
今年の3月は雪で始まりました。今年に限らず、3月は信州の山ではまだまだ冬。でも、真冬の間、解けずに残っていた雪が少しずつ消えて、久しぶりに地面が見えてきます。
真冬の乾燥が少しずつ和らぐにつれて、雪も湿ってぼったりと重くなってくると、春の近づきを感じます。
積もってもすぐ溶けますしね。
このあたりは、年が明けてから3月くらいまでは、近所の産地直売所も半分閉まったも同然の静かさ。並んでいるのは乾物、根菜、りんご、といった程度でしょうか。気温が上がって日がのびてきても、農産物の面では春の芽吹きはなかなか感じられません。なので、しばらくは冬の名残の果物を食べ続ける感じです。
たとえば、柑橘類。輸入物を中心に、多かれ少なかれ1年中出回っているものですが、本来はだいたいが冬の果物。柑橘類のタルトも
冬の間にいろいろ作りましたが、少しずつ残ったものを使って春になってもぼつぼつと。
まずは、1年中活躍するけれど、冬が旬のレモン。
ちょっと春っぽいレモンのタルト。春っぽいのはいちごが載っているから、というだけではなく、レモンタイムを合わせているためです!春になると賑やかになる園芸店でハーブの苗を買うのが楽しみ。日当たりの悪いうちの庭では、ほとんど生き延びないのですけれどね(悲)。
とまあそれはともかく、レモンタイムとヨーグルトのタルト。
元のレシピはオーツ麦を使ったヨーグルトのタルトで、
Alice Medrich 著、
Flavor Flours: A New Way to Bake with Teff, Buckwheat, Sorghum, Other Whole & Ancient Grains, Nuts & Non-Wheat Flours (Artisan, 2014) から(サブタイトル長い・・・)。小麦粉を使わず、いろんな穀物の粉でスタンダードなものからちょっと変わったものまでいろんなお菓子を作っている本です。
このタルトは、オーツ麦粉(オートミールを挽いて作れます)と米粉で作った生地に、ギリシャ風ヨーグルト(要は水切りヨーグルト)がベースののクリームを焼きこんだもの。今回は、市販の水切りヨーグルトをさらに水切りして、浮いた(?)水分の代わりにレモン汁を加えてみました。
刻んだレモンタイムも入って、軽くさわやかな味。
もうひとつは、特に春っぽくもないのですが、、こんなの。
メイヤーレモンのタルトレット。
かなり前に作ったことがあるレシピで、『エリックのマクロビオティック・スイーツ』(
エリック・レシャソー著, 坂井奈津子, 鈴木さなえ 訳, パルコ出版, 2007年) から。マクロビオティックのレシピで、甘酒を使ったレモンのフィリングがすっぱくておいしい。しかし今回は、なぜかタルト生地作りに苦心し、1回目はうまくまとまらず、2回目はちょっと目を離したすきに真っ黒に焦げました(悲)。なので、写真に写っているのは、別のレシピのタルト生地です。結果的にはおいしくできたのでよかったことにします。。
お次は、冬が終わるとほとんど手に入らなくなる、柚子。
ゆずとミント、ココナッツのタルト。わたしにとっては、柑橘類のなかでも特に冬を思わせるものです。この春に残った最後の柚子は、暖かい季節を思わせるミントと合わせてタルトにしてみました。
冬に作った柚子のタルトも、
レモンスクエアをタルト型で焼いて強引にタルトにしたものでしたが、今回もそんな感じ。前回作った(ほぼ)ビーガン仕様のレシピも好きだったけれど、何か新しいものを、と探して
こちらに落ち着きました。
卵は使いますが小麦粉、砂糖、乳製品は不使用で、ココナツをたっぷり使います。レモンの代わりに柚子を使い、台になる生地と中身の生地の両方に、柚子の皮のすりおろしと、細かく刻んだミントの葉を混ぜ込みました。ちなみに上の白いのは、粉砂糖ではなくココナツ粉。
たっぷりココナツを使うだけあって、味はココナツが強め。柚子とミントをもう少し多く入れてもよかったかなーと思いましたが、味の組み合わせはよかったです。
春・・・というより、冬と夏のミックス、、だったかな。汗
それから、他の柑橘類よりも少し遅れて春先に出てくる甘夏みかんもタルトに。
クリームチーズベースのフィリングをタルト生地に入れて焼きこみ、レモンカードのような感じのクリームを甘夏の果汁で作ったものを詰めて、仕上げに軽く泡立てた生クリーム。レシピは
こちら。
わたしが作るもののなかでは割と手が込んでいるほうだったかな。でも、さすがにバランスのよい出来上がりでおいしかったです。
甘夏はあまり焼き菓子にすることがないので、もっといろいろ試してみてもよかったかなと思いました。また次のシーズンに、、(たぶん)。
そして、最近は国産のものも多く見かけるようになってきたオレンジ。
オレンジといちごのヨーグルトのタルト。今年の冬に作ったフレッシュオレンジとヨーグルトのタルトがおいしかったので、オレンジがあるうちにもう一度。
こちらのレシピで、今回はヨーグルトの一部をいちごのピュレに変えてみました。
なので、中のクリームがほんのりいちご色。上にどっさり載せたオレンジで見えませんが。
・・・あ、切っても写真だとあんまり見えなかった。。でもかわいいピンクだったのですよ。トッピングはネーブルオレンジとブラッドオレンジの2色(+いちご少々)。やっぱり華やかでおいしいです。
オレンジ2種といちごの組み合わせでもうひとつ。
こちらのいちごとオレンジのタルトは、飾り付けをダイナミックに失敗した例です(汗)。飾り付けのイメージが浮かばないまま適当に並べ始めたらこんなことに(ふ)。
こちらのレシピを使って、タルト生地は普通の小麦粉の代わりにスペルト小麦粉を使い、中のクリームはマスカルポーネを使って、オレンジの皮のすりおろしと果汁を加えたもの。
味はよかったです。味は、、(涙)
えー気を取り直して、ブラッドオレンジでもうひとつ。
サブレ・ブルトンとブラッドオレンジのタルト仕立て マスカルポーネクリーム添え。
サブレ・ブルトン(sablé Breton)は、バターなどの乳製品が有名なフランスはブルターニュ地方で作られたクッキー。バターたっぷりで、ちょっと塩味がきいています。
この類のクッキーは日本でもフランス産・国産ともに入手できますが、こうやって生のフルーツとクリームを合わせてタルトのように仕立てる食べ方は、数年前に
この本で初めて見た気がします。
今回は
こちらのレシピを使って、ブラッドオレンジと、マスカルポーネ入りのふんわりクリームでの組み合わせ。ケーキとクッキーの中間のような生地で、タルト生地としては柔らかめなので、本来はタルトリングに入れて作ります。が、ちょうどいいのを持っていないので(抜型ならあるのですが、、数が足りなかった)、強引にマフィン型で作成。
焼き上がり、どちらの面を上にして飾りをするか迷って、面の広いほうを上にしましたが、、厚く焼くせいもあり、ぱっと見カップケーキのようになってしまいました。。
サブレ生地もクリームも脂肪分たっぷりでリッチなはずなのに、食べると意外と軽くてぺろっといってしまいました。。
ところで、今年の冬はたくさんオレンジを買ったので、一部をはちみつ漬けにして少し保存しました。それを使ったお菓子も。
こちらの本のレシピでライ麦を使ったタルト生地を作り、それを延ばして広げてパン粉をふったところに、はちみつ漬けのオレンジスライスと刻んだルバーブをどっさり載せて、ふちを折りたたんで焼き上げます。
オレンジとルバーブのガレット。この手のタルトは、最近は日本でも「形なしタルト」として結構見かけるようになってきましたね。タルト型に生地をきれいに敷きこむ必要もないし、そもそもきれいに形作らなくてもラフな感じがいいので、わたし向きなタルトです。
さて、山は4月になると、雪もほとんど消えて、少しずつ緑が見えてきます。
3月から4月にかけては、雪がなくなると山は一面、ただただ茶色でつまらない時期なので、木や地面に緑が芽吹き始めると、本当に心が躍ります。
最初にも書いたように、直売所では緑がいっぱいになるのはまだもう少し先で、特に果物はあまりない状態。なので、色のものを見つけると嬉しくなるのです。
そして、今年は4月の終わり頃に、近所の直売所で
ルバーブを発見して小躍り!長野県はルバーブの栽培が盛んなほうなので、近年は旬になると直売所にもスーパーにも生のルバーブが並びます。でも、イギリスなどでは1月くらいから早いものが出始めるのに対して、このあたりの旬は初夏と秋。4月に見たのは今年が初めてかもしれません。さらに、5月に入ってから、この写真のように真っ赤なものを見つけて小躍りどころか本気で踊り(?)。普段見かけるのは、半分以上緑のものがほとんどで(
こんな感じ)、味は大差ないとはいえ、やっぱりお菓子にすると見た目としては赤いほうが嬉しいのですよね。
※厳密にいうとルバーブは果物でなく野菜なのですが、、料理よりもお菓子に使うことが圧倒的に多いので、果物として扱っておきます。赤にせよ緑にせよ、春先は果物が少ないせいか、見返してみたらルバーブのお菓子をやたらたくさん作っていました。タルトもかなりいっぱいあります。
はちみつとルバーブのタルト しょうが風味のヨーグルト添え。赤くて細身のルバーブが手に入ったら作ってみたいと思っていたのが、こうやって形を残して焼き上げる種類のお菓子。
作り方はごく簡単で、パイ生地(市販の)の上にルバーブを並べて、はちみつをまわしかけてオーブンで焼くだけ。
その間に、ギリシャ風ヨーグルトにしょうがのすりおろし、バニラビーンズ、ブラウンシュガー少々を混ぜておき、タルトが温かいうちにいただきます。レシピは
こちら。
真っ赤なルバーブとパイ生地の組み合わせで、少し趣の違うもの。
ばらの風味のルバーブとアーモンドのタルト(rhubarb and almond tart)。パイ生地の上にアーモンドクリームを塗り広げたところに、ばらの風味をつけた熱いシロップに少し漬けておいたルバーブを載せて焼き上げます。
レシピはつい先日出たばかりの、
Annie Rigg 著、Summer Berries & Autumn Fruits: 120 Sensational Sweet & Savoury Recipes (Kyle Books, 2015) から。作り始めてから気づきましたが、このタルトは
本の表紙になっていました。シンプルながら華やかなタルトです。
ちなみにレシピでは、市販のパイ生地を使うのですが、たまたま気が向いて自分でパイ生地を作った(!)ので、ここではそれを使っています。本格的にバターを四角く伸ばして折り込む方法ではなくて、切り込んで混ぜ込む簡略版ですが、こういうタルトには十分かな。
それから、ばらのシロップにはローズウォーターを使うのですが、手元になかったので、ハーブティー用に買ってあるドライのばらを煮出して代えました。バニラビーンズも入れて、ほんとうに甘い香りのタルトになりました。
ルバーブを漬けたシロップは、赤いルバーブの色が移ってかわいいピンク色に。
このように、ルバーブそのものが赤いと、作ったお菓子もきれいな赤い色に仕上がるのですが、先に触れたとおり、このあたりで手に入るルバーブはあまり赤くないので、普段作るのは、あんまり赤くないのが多いです。
たとえばこの、赤も緑もあんまり見えない(!)こちらのタルトは、ルバーブとアーモンド、コリアンダーのタルト。生地にもトッピングにもアーモンドが入り、コリアンダーシード入りのケーキに近いタイプの生地の上に刻んだルバーブを載せ、スライスアーモンドを使ったトッピングを載せて焼き上げます。
レシピは、『小嶋ルミのフルーツのお菓子: 季節のジャムとコンポート、ケーキなど86品』(柴田書店, 2014年)から(「タルト・カプリス」)。お菓子好きな人の間では有名な東京・武蔵小金井の
オーブン・ミトンのオーナーシェフ、小嶋ルミさんの本で、わたしが好きそうだから、とお友達がレシピを送ってくれました。(^^)
日本のお菓子のレシピでは、(ジャム以外で)ルバーブを使ったものはまだまだ珍しいのかなと思いますが、これはコリアンダーを合わせるところがさらに変わっているなと。コリアンダーシードは、分量をみて量ったらずいぶん大量に見えたので、大丈夫か、、?と思ったのですが、焼き上がりはちょうどいい感じ。さすが、小嶋さんのレシピだけあって、きっちりして信頼できますね。
さすが、と言いながら、実は分量は一部、若干適当なんですけれどね、、ごにょごにょ。おいしくできたのでよしとします。
さらに、型の大きさなどの関係で、ちょっと、だいぶ厚めに焼き上がってしまいましたが、、これ、味はほんとうにおいしかったです。ルバーブとコリアンダーの組み合わせ、またやってみようと思いました
スパイスといえば、こちらのタルト。
このルバーブとクリームチーズのタルトでは、ルバーブの赤い部分と緑の部分が見えるでしょうか。
こちらのレシピなのですが、ちょっとぼんやりした味だったので、それこそ少しスパイスを加えるとかしたほうがよかったかなぁと思いました。
さて、なんだかんだ言っても(?)やっぱりルバーブのお菓子は赤いほうがいいなーと思うので、作るお菓子によって、赤い部分だけを分けて使ったり、または色の鮮やかな果物などと組み合わせて「着色」したりします。
たとえばこのルバーブとピスタチオのタルト。たくさん買ったルバーブのうち、赤いところだけを使っています。
このタルト、メモを取るのを忘れ(汗)、どのレシピを使って作ったのか忘れてしまいました・・・。ごく普通のタルト生地に、アーモンドクリーム(フランジパン)・・・のアーモンドの一部をピスタチオに変えたものを詰めて、ルバーブを載せて焼いたのだと(確か)。
ピスタチオの量が少なくてあまり緑色がわかりませんが、、普通においしかったと思います。
もう少し最近作った、ルバーブとピスタチオのタルトがもうひとつ。
去年くらいに買って、秋編でも冬編でもたくさん登場している、
白崎裕子 著、『かんたんお菓子: なつかしくてあたらしい、白崎茶会のオーガニックレシピ』(WAVE出版, 2012)の、バターや卵を使わないタルト生地とアーモンドクリームのレシピを使って作りました。
このルバーブは思いっきり緑だったので、タルトを焼く前に、ルバーブはいちごとクランベリー、そして少量のはちみつとともに軽く火を通し、ひと晩置いて色を移しています。
ルバーブを放射線状に飾る仕上げをやってみたかったので、ちゃんと寸法を測って切ったつもりが、ちょっと長すぎて不格好な仕上がりになってしまいました、、まぁわたしが作るものにはよくあることです・・・。
こちらのルバーブのブリオッシュタルトは、ルバーブの赤いところを選んで、さらにラズベリージャムと合わせて色を強調しています。色よく焼けすぎてあんまりわかりませんが(汗)。
生地を分けて二次発酵させる途中で、ラズベリージャムを塗り、ルバーブを載せただけ。生地が厚すぎて、焼き上がりがずいぶん丸くなってしまってますけれどね、、。
ブリオッシュの部分のレシピは『少しのイーストでゆっくり発酵パン こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!』(
高橋雅子 著, PARCO出版, 2007)から。
わたしがパンを普通に、楽しく焼けるようになったきっかけの本です。
ブリオッシュタルトもうひとつ。
ルバーブ、りんご、ラズベリーのブリオッシュタルト。バターたっぷりのブリオッシュ生地に砂糖をふって、うすくクリームを塗り、フルーツを載せて焼きあげたもの。
レシピではルバーブだけを使っているのですが、ここではりんごとラズベリーも合わせてみました。
これは一次発酵だけの簡単な生地。簡単にできるわりに見栄えがするし、おいしかったです。
ラズベリーで色をつけたのがもうひとつありました。
ルバーブとヘーゼルナッツ、マスカルポーネのタルトレット(rhubarb, mascarpone and hazelnut tartlets)。ショートクラスト生地を焼き上げたところに、マスカルポーネチーズとヘーゼルナッツをベースにしたペーストを詰め、軽く煮たルバーブを載せます。ここでは、そのルバーブを煮る際に、ラズベリーを少し加えています。ラズベリー味になるほどは加えていないので、色だけ。
ルバーブを煮る時間がちょっと長すぎたらしく、煮崩れて形がまったくわからなくなっていますが(汗)おいしかったですよ。
元のレシピは、ブログの写真の美しさにため息が出る
Katie Quinn Davies の1冊目の本、
What Katie Ate: Recipes and Other Bits and Bobs (UK ed.) (Collins, 2013) から。このレシピについては
こちらでも見ることができます。
その後、細心の注意を払って(!)煮崩れないようにして作ったのがこちら。
ルバーブとクリームチーズのタルト。少し前に触れたのと異なり、ルバーブはクリームチーズ生地に焼きこまず、別に煮てコンポートにして仕上げに載せます。
こんな感じで、細長いタルトにルバーブを並べる形のタルトを作ってみたくて試したものです。
これも、どのレシピを使ったのか忘れてしまったのですが(そんなんばかりですみません、、汗)
こんなような感じのを参考に作った気がします。タルト生地は普通の生地で焼き上げ、クリームチーズとマスカルポーネチーズを合わせたフィリングを詰めて、ロゼワインで煮たルバーブを並べて仕上げています。
ルバーブがロゼワインのピンク色になったらかわいいな、と思って作ったのですが、緑のルバーブはロゼワインだけでは色がつかないので、このときはハイビスカスフラワー(ハーブティーに使うもの)を少し加えて作りました。ルバーブが緑だったわりには、いい感じのピンクになったかなと。
ときに、ハイビスカスでルバーブを赤く染めるという方法は、こちらのタルトのレシピで出会ったものでした。
Kim Boyce 著、
Good to the Grain: Baking with Whole-Grain Flours (Stewart, Tabori, & Chang, 2010) のルバーブタルト(rhubarb tarts)(あ、
これも表紙でした)。買って以来、あれこれレシピを試して、どれもお気に入りになっている本ですが、このタルト、さらに言えばこのコンポートは特に役に立っているレシピです。
ルバーブをざくざく刻んで、一部を残してあとはブラウンシュガーとハイビスカスフラワー(ドライ)と一緒に火にかけ、ルバーブが煮崩れてソースのようになったところで、よけておいたルバーブを加えてさらに煮るだけ。すっかり冷めたらハイビスカスは取り除きます。ハイビスカスを入れると真っ赤になるので、どんなに緑のルバーブでも問題なし。こくのあるブラウンシュガーが、酸味の強いルバーブとハイビスカスによく合っています。このコンポートだけでも何度も作っています。
このタルトについては、このコンポートを、コーンミールを使ったタルト生地で包んでミニサイズのガレットに仕立てたもの。赤と黄色が見た目にも鮮やかなタルト。
これも作ったのが結構前なのですが(2012年)、久しぶりにまた作りたいなと思いました。コンポートを含め、タルトのレシピは
こちらでも見ることができます。
もう1枚、写真撮りすぎですね、、はは。
さて、ルバーブを真っ赤に染めるという点ではハイビスカスは最強ですが、同じ旬の果物で自然なピンクにするには、やはりこれでしょうか。
いちごです。ルバーブといえばいちご、と言っても過言ではないくらい、ルバーブを使ったお菓子はいちごと合わせたものが多いです。旬がだいたい重なる、というのもありますが、酸味のあるルバーブと、ほんのり甘いいちごの組み合わせがなんとも言えず合うのですよね。
それに、いちごと合わせると、緑のルバーブももれなくピンク色になりますし。
たとえばこんな、シンプルないちごとルバーブのタルト。少量の砂糖を加えてルバーブを煮て、火が通ったところでいちごを加え、別に焼いておいたタルト生地にそれを載せるだけ。
いちごは完全に火が通らないのでフレッシュな風味も残ります。レシピは
こちら。
こちらのルバーブとリコッタチーズのタルトは、別の意味でルバーブの色がわかりませんが、、パイ生地にアーモンドクリーム、ルバーブ、リコッタチーズを載せて焼き上げ、食べるときにいちごとアイスクリーム、はちみつを添えたもの。
写真に撮るときは、ルバーブの赤いところが少しでも見えるように撮る努力をしますが、実際はほとんど緑です。見えないから大丈夫。(違) レシピは
こちらです。
このタルトも、緑のルバーブをいちごで染めた典型例。
焼く前はこんな感じでした。
ほら、緑。
ちなみに、最初の写真ではほとんどわからなかったかもしれませんが、、上に載せているのは桜の花をかたどった生地です。これを作ったのは2年前の春、Instagramで見かけた
こんな感じの"花のパイ"があまりにかわいらしかったので、真似してみようと思ったのです。
うちにある桜の花のクッキー型を使って作ってみたのですが、、うーーーむあんまりかわいくできなかった(悲)。敗因としては、タルト型のサイズに対して、載せる花が大きすぎたあたりでしょうか。あと、もう少したくさん載せてもよかったかなと。ちなみに、タルト生地は普通のやつを適当に(って適当すぎる説明、、)、中身は刻んだいちごとルバーブに砂糖とコーンスターチ、スパイス(シナモンとカルダモン)を適当に混ぜた感じです。
というわけで(?)、春と言えば、やはり桜。
3月末から、東京以西の皆さんがネットで紹介される満開の桜を羨ましく見た後、数週間経って、やっとこちらの桜が咲き始めます。
里に出ると満開でも、山奥(=うち)はまたもう少し遅め。だいたい4月後半くらいでしょうか。
控えめに咲く山桜もいとおしく感じます。
今年は花見も行かなかったし、桜のお菓子もあんまり作らなかったのですが、桜の花をかたどったタルトは再挑戦しました。
前回の教訓をもとに、全体にもっと大きい型で作り、上に載せる花の数も大幅増量!
今度こそ・・・!と鼻息荒く焼いたら、、
、、桜の形が前に増してわからなくなりました(ガーーーン)。せっかく夜なべして(嘘)ちまちま桜の模様もつけたのに、、。もっと小さい型で、かつ、模様をつけなくても花だとわかる形にしたほうが向いてるのかもしれません。
ちなみに、まったく見えてませんが、中身はいちごとりんご。軽くカルダモンとナツメグで香りをつけています。生地はコーンフラワーを混ぜたもので、レシピは
こちらあたりを参考に。
厳密にいうとタルトではなくパイですが、まあいいではないか。
このように、ルバーブとだけでなく、他の果物との組み合わせでも、また単体でも活躍するいちご。
今でこそ冬が最盛期のように出回るいちごですが、わたしのなかではやっぱり春~初夏の果物。地元産のものが出るのは、ハウス栽培のものは3月頃、露地物は5月くらいでしょうか。
冬のさなかから見ているのに、春先に見るとやっぱり嬉しくて、せっせと買ってしまいます。なのでせっせとお菓子を作る。
いちごとりんごのタルト。2月を過ぎると、もうりんごは生で食べる気はなくなるので、ひたすら加工して消化するわけですが、焼き菓子にすれば問題なし。
さくさく、はらはらのタルト生地に、薄切りのりんごといちごを並べ、砂糖をふって焼くだけ。
ごくシンプルですが、フルーツのさわやかさと、バターの香りが全面的に出るお菓子です。薄くて軽いのでぺろっといけます。レシピは
こちら。
いちごと桜のタルト。桜の時期だったので、また桜っぽいイメージで。決まったレシピではなく、そのときあったもので適当に作りました。ベースはグラハムクラッカーを砕いてバターと混ぜたもの。中身は、いちごと桃のピュレ(前の年の秋に出た最後の桃をシロップ煮にして置いておいたのを使用)、生クリームを適当に混ぜてゼラチンで固めたムースのようなもの。ムースに使ったピュレの一部を、さらに泡立てた生クリームと合わせたものを上に絞り出し、いちごを飾っています。
適当に作っただけあって、適当な味でしたが(汗)まあ普通においしかったかな。見た目が春らしくできたので、もうそれでよし。←いいかげん
そうそう、上には、フリーズドライの桜花のフレークをふっています。全然見えませんが。
これも、何か特定のレシピを使ったかどうか思い出せないのですが、確か適当にタルト生地を焼いて、マスカルポーネと生クリームを合わせたクリームを入れて、スライスしたいちごを載せた、みたいな感じだったのではないかと(たぶん)。生の果物があると、こんなような、簡単テキトーなタルトをよく作ります。
次のは、どのレシピだったかしっかり覚えています! ←いばれない
いちごとピスタチオのタルト。
このレシピで写真を見て、これ作る!と決めていたのです。
ピスタチオと砂糖を混ぜてフードプロセッサー(うちはないのでブレンダー(ミキサー))にかけて細かくしたものを、パイ生地(冷凍)の上にふってオーブンで焼き、スライスしたいちごと刻んだピスタチオを並べるだけ。
これも、簡単なのにぱっと華やかな見た目で、非常に写真映えのするタルトです。シンプルにおいしい。
いちごは、どうやって並べてもかわいくできるので、お菓子の作りがいがありますね。
(あ、少し前のいちごとオレンジのタルトはかわいくなかった、、汗)・・・あと、これもあんまりかわいくなかったですが、、。シンプルなタルト生地に、リコッタチーズベースのクリームを塗り、いちごを並べて焼いたもの。レシピは
こちらで、写真とだいぶ違うあたりをみるに、おそらくはいちごが足りなかったのではないかと思われます・・・。残念。
いちごは、それだけを加熱したものはそれほど好みではないのだけれど、安いいちごがたくさんあったり、どうしても試したいレシピがあるときは別。これは2番目の例です。
いちごのミニ・タルトタタン。
donna hay magazine (issue #60, Dec/Jan 2012) で最初に見たとき、あまりにかわいらしくて感激して、これはぜひ試してみなければ!と思ったのです。いちごを加熱したものも、タルトタタンというお菓子も特に好きでもないのだけれど、それでも。
元はりんごで作るタルトタタン、最近はりんご以外の果物で作るレシピも多く見かけます。このレシピも基本的には同じなのですが、ぐっと簡略版。バターを使ったキャラメルソースを作り、生のいちごにかけて、その上にパイ生地を載せて焼きます。マフィン型で作るのでミニサイズ。パイ生地は、レシピでは市販のものを使いますが、今回は自家製の生地があったのでそれを使用。
焼き上がり、型をひっくり返して出すと、キャラメルソースが混ざったいちごの果汁がだーーっと流れ出すので、それを集めてタルトの上にかけ、温かいうちにいただきます。ソースが垂れないように気を付けながら(でも垂れるのですが)食べると、いちごのジューシーさと、バターのリッチさが相まって、何ともいえないおいしさでした。ミニサイズですが1個食べれば満足。
レシピは
こちらでも見られます。写真も一生懸命真似して撮りましたよ。
さて、焼き上がりのタルトタタンから出た、いちご果汁入りのキャラメルソースというか、キャラメル入りのいちご果汁がたくさん余ったので、それを流用してまた別のお菓子を作る。
いちごキャラメルチーズケーキタルト。クッキーを砕いてバターと合わせたベースに、チーズケーキのような生地を入れて焼いただけ。あ、いちごキャラメルは、チーズケーキ生地の前に塗り広げておきました。上からはまったく見えませんが。
・・・切り分けてもまったく見えませんでした(!)。どうやらチーズケーキ生地に混ざり込んでしまったようです(ちっ)。でもキャラメルの味はほんのり感じられ、非常においしかったです。台とチーズクリームのレシピは
こちらをゆるく参考に。チーズクリームの配合は、家にあるもので適当に作り、台のクッキーは家にあったジンジャークッキーを使いました。しょうがの味はそんなにはしなかったですけれどね。
そうこうしているうちに、5月になり、山は文字通り日ごとに緑が増していきます。
これは今年の5月の初め。誇張でなく、昨日の夕方よりも今日の朝、今日の朝よりも今日の夕方のほうが、目の前の木の葉っぱが大きくなっているように見えます。
夏のような日差しでも、5月はまだ山の上は涼しい日が多いのですけれどね。
10日後。すっかり新緑です。
5月も後半になると、いちごとルバーブのお菓子作りに勤しみつつ、少しずつ初夏の果物も目についてきます。
たとえば、枇杷。このあたりでは、地元産のものは見たことがないし、そもそも、特に好きな果物というわけではないのだけれど、スーパーにびわが出ていると、そろそろ夏かね、と思うのです。
で、びわはそれほど好きではないけれど、最近わかったのは、びわは生より火を通したほうが好きかも、ということ。さらに言えば、身よりも種のほうが好きかも、ということ。
前にもブログで書いたことがあるように、びわの種は杏の種(杏仁)のような香りがあって、それでデザートを作るとおいしいのですよ。
それで作ったのがこの、びわのタルト。特にレシピはありません。びわの種を刻んで、牛乳と生クリームに加えて一度火にかけて置いておき、香りを移したものでカスタードクリームを作り、別に焼いておいたタルトに詰めます。上に載せたのは、バニラビーンズを加えたシロップで煮たびわの身のほう。
写真でもわかるように、ちょっとカスタードクリームがゆるかったのですが、、ふんわりバニラと杏仁の香りがしておいしいタルトになりました。今年はまだ枇杷は食べてないけれど、1回くらいは買ってお菓子にしようかな。
そして、これ。
マンゴー!日本で出回っているのは圧倒的に輸入物が多く、世界各地から届くので1年中あるといえばあるのですが、春の終わりから夏にかけてが旬。南国の果物ということで、どちらかというと暑い時期=夏の印象がありますが、春の間に作ったお菓子も少し紹介しようかと思います。
まずは、いきなりですが、焼きます(!)。
マンゴーのガレット。マンゴーってあんまり焼いたことがない気がするのですが(もったいない、、)、火を通すとねっとりとした食感になり、甘みを強く感じるようになります。
これも、基本的にはパイ生地(市販)にフルーツを載せて焼くだけの簡単なもの。
レシピではベリーのクリームを添えていますが、わたしは簡単にバニラアイスを添えて食べました。
おいしかったけれど、やっぱり火を通すのがもったいないという気持ちが拭い切れません・・・。使い切れないくらいマンゴーがあったらまたやってもいいかな。
というわけで、焼かないのも。
マンゴーとライムのタルト。シンプルなタルト生地を焼いたところに、ライムで香りをつけたカスタードを詰め、マンゴーを並べたもの。レシピは
こちら。
ちょっとタルト生地が厚かったんですが、、でもマンゴーがおいしければすべてよし(と強引にまとめる)。
マンゴーはまだ夏にかけてあるので、またもう少しいろいろ作ってみようと思います。
というわけで、春の果物のタルトでした。
約30種類。いちごとルバーブがほとんどですね、、それが春。
これを書いている今現在、5月末で、いちごもルバーブもまだ出るので、また引き続き何か作ることでしょう。
たぶん。
また最後にひとつ、おまけを。
ルバーブとチェリーのジンジャーブレッドタルト。数年前、初夏にアメリカンチェリーが出た頃にルバーブと合わせて作ったもので、しょうが、ナツメグなどをきかせたタルト生地でガレットに仕立てています。
いちごと同様、チェリーもルバーブの着色にぴったりです。
元は洋梨で作るタルトのレシピで、数年前のdonna hay magazineに載っていたもの。ルバーブもチェリーもスパイスとよく合うので、タルトとしてはおいしかったのですが、なんせジンジャーブレッド風なので冬の味でした(!)。初夏のタルトのつもりだったんだけどなーー。
というわけで、秋から始まって冬、春と続けてきたこの「旬の果物のタルト」シリーズ、次回は夏。夏といえば、果物がいちばん豊富な季節なわけで、今年の夏の果物で何かを作るまでもなく、既に大量にタルト記録の在庫があります(汗)。全部まとめることを考えると今から目眩がしそうですが、、夏が終わる前に記事にできればなーと思います・・・。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました!