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冬深まり、色失せる山奥。
by zochika
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夏の味で、冬の味
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本日解禁。






さかのぼること約5か月、それは7月に始まりました。
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7/11 いちご

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7/13 ダークチェリー

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7/16 あんず

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7/30 すもも

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8/4 ブルーベリー

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8/6 ネクタリン(ホワイト・イエロー)

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9/7 プルーン

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9/15 ぶどう

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10/5 洋梨。
ここからさらに2~3か月。



×××



昨年の夏は、旬の果物を手当たりしだいに いろいろお酒に漬けこんで果実酒を作ったものでしたが、夏の終わりになって、ちょっとおもしろい果実酒のことを知りました。
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Bachelor's Jamと呼ばれるそれは、ジャムと名前はついていても果物を煮るのではなくお酒に漬けていくもの。しかも、杏酒や梅酒のように1種類の果物をお酒に漬けるのではなく、何種類もの果物をひとつの瓶で漬けていくもので、それも出盛りになる順番にどんどん足していくという作り方。一般には、初夏のいちごに始まって初秋のプルーンや洋梨まで2~3か月にわたって果物を足していき、その後さらに2~3か月置いて、冬のさなか(伝統的にはクリスマスの頃)が飲み頃(食べ頃?)になります。


いろんな果物を一緒に漬けたらどんな味になるんだろう、と興味をひかれたのはもちろん、それを夏の間数か月かけて出てきた順に漬けていく、というのが何ともおもしろくて、来年の夏にはきっと試してみよう!と思ったのでした。


で、今年の夏。そうそう、あれあれ、と思いだして、いちごも本当に終わりの頃に慌てて漬け始めたのが7月の初め。(ブログでもちらっと触れています。)
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わたしが見た記事にも書いてあるとおり、レシピというか作り方は探すといろいろ出てきます(実は、7~8年前から使っているお気に入りのフランスの料理本にもレシピが載っていたことを、つい最近発見。。はは)。基本は皆同じで、ともかく果物と砂糖を蒸留酒(キルシュ、ラム、ウォッカ、ブランデーなど)に漬けていくだけ。わたしはブランデー(安く売ってたから)と、小粒の氷砂糖(家にあったから)で漬けてみました。


上の記事では、果物1ポンド(約450g)につき砂糖1カップ(約200g[※アメリカの計量カップです])で、全体が完全にかぶるように蒸留酒を足していく、という作り方になっています。伝統的に大きな壺で大量に作るもののようですが、うちではそんなに消費できるかどうかわからないのと、あと今回はまず味見を、という感じなので、かなり少量で作り始めました。容器は2リットル容量の保存瓶を使用。


具体的には果物1種類につき120g前後で、砂糖は50g程度。お酒は最初は300ml程度から始めて、果物を足すたびに120ml程度注ぎ足していくことに。
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・・・の、つもりでいたのですが、これだと結構甘くなるようなぁ、、という気持ちはあって、果物を足す際に毎回砂糖を足すのがなんとなく憚られ、結局砂糖は入れたり入れなかったり。お酒も、全体がかぶっていればそれでいいので、果物を足すたびに足していったわけでもなく。


せめて、足していく砂糖と酒の量もメモしておこうと思ったのですがそれもならず(汗)、結局、全体で使った果物・砂糖・酒の量はわからなくなってしまいました。。。辛うじて、どの果物をいつ足したかわかるのは、単にカメラの日時設定のおかげです(デジカメばんざい)。果物の重さもかなり「だいたい」で量っていたので、全体的に「だいたい」な作り方です、はい。まあ、そもそも「だいたい」で作る食べ物のようなので、それでいいのかなと。


去年の夏にその存在を知ってから、いろいろな作り方を見てきましたが、特に「決まり」があるとすれば、強い蒸留酒を使うこと、果物が常にお酒に漬かるようにしておくこと(そうでないとカビが生えるおそれあり)、瓶の中身を混ぜないこと、といった感じでしょうか。あとは、瓶は必ず冷暗所に置くようにしたほうがいいですね(漬けこむ時期は夏なので)。
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ちなみに、「夏の始めから出た果物を順番に漬けていく」という作り方ではありますが、出遅れた場合は、夏の終わり頃に夏の果物がたくさん出回っているときに、何種類でも集めて全部いちどに漬けてしまう、というのもアリだそうです。ともかく気楽に作るもの、という感じですね。


ときに、わたしが見た記事はでは「bachelor's jam」と呼ばれていたこの食べ物(飲み物?)、日本語にすれば「独身男のジャム(!)」みたいな感じでしょうか。で、他にも呼び名があって、そのひとつが「old boy's jam」(!!)。元はフランス語の「confiture de vieux garçon」を英語にしたものでしょうか。これは、(料理をしない)独身男性でも作れるからとか、(寂しい)中年男が冬の寒いなかで食べると心身暖まるからだとか、、語源の説はいくつかある様子。それ以外には、ドイツでは「Rumtopf(ラムの壺)」と呼ばれるものがこれにあたるようです。


で、お酒については、上に書いたとおり強いレシピによって異なるようですが、見た感じで多かったのはウォッカ、キルシュ、ラム。ドイツでは「ラムの壺」だけあってラムが主流、フランスのアルザス地方では特産のキルシュが多いようです。
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果物の種類は、ある程度何でも使えるようですが、主なものはベリー類と、もも・あんず・すもも・チェリーなどのストーンフルーツと呼ばれるもの、あとはぶどうや洋梨など。大きなものは切って、種は取ったり取らなかったり。皮は基本的にそのまま(洋梨は剥きましたが)。今回は、ダークチェリー以外はすべて地元で採れた果物を使っています。欲を言えばラズベリーも入れたかったのですが、生のが手に入らなかったので断念。



×××



・・・ともあれこんな感じで、約3か月にわたって果物を漬けていき、その後さらに2か月置いたのがこちら(※参考にした記事では、最低6週間、できれば2~3か月置くとのこと)。
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12/15、解禁~。



・・・ときに、レシピでは「果物を重ねて層にする」という感じのことが書いてあるので、何種類もの果物がきれいな層を作るさまを想像していたのですが(こんな感じで)、、、いちごの次にさくらんぼを入れた時点で、いちごより重いさくらんぼがさっそく下に沈んでしまい、いきなり最初から挫折。。次にあんずを入れたらもう全体が混ざってしまったので、「きれいな層」の夢は断たれましたが、まぁ仕方ないですね。


さらに、ブランデーを使ったせいもあり、何を入れても全体は茶色になるので(^▽^;)、見た目に麗しいとは言えないかもしれませんね。ウォッカとかキルシュとか透明な蒸留酒を使うとまた違うのでしょうか。
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それでも、蓋を開ければふんわりいい香り。ちょっとなめてみると、どの果物の味が目立っている、ということはなく、奥行きのある味。甘さもちょうどよかったです(って砂糖をどれだけ入れたか判らないんですけどね、、)。果物は、もうしっかりどっぷりお酒がきいてます。洋梨がちょっと固いなぁと思ったけれど、他の果物はじわーっと柔らかいです。


さてこの独身男のジャム(って呼び名もやっぱりどうですかね、、)、食べ方(飲み方?)としては、そのままスプーンを突っ込んですくって食べる(!)ほかには、アイスクリームやケーキに添えてもよい、とのこと。


というわけで、さっそくやってみました。
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バニラアイスに添えて。アイスクリームは市販のもの。果物とお酒の両方をすくってかけます。お酒をかけたらアイスがどんどん溶けていくので慌てて食べます。でもアイスが溶けてお酒と混ざったところもおいしい。


次はケーキ。
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厳密にはご覧のとおりバウムクーヘンですけど(もちろん市販のもの)。マスカルポーネクリームも添えたらりっぱなデザートふうになりました(かね?)。ちなみに結構、お酒がガツンと来ます(そりゃそうだ)。


そして、そのまま、ちびちびと。
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ふわーっと体が温まる感じ。ってそれは当然アルコールだからなのでしょうが、これは明らかに冬の味の飲み物(食べ物)だなぁと思います。色も冬の色って感じですよね。


正直言って、当初これは「数種類の果物を出た順に漬けていく」という過程に興味があって作りたかったのであって、出来上がりの味には特に期待していなかったのですが(実は果実酒全般、作るのは好きだけどあんまり飲まないのです・・・)、これはなかなかおいしかったので、また夏に作ってみようと思いました。


とりあえず、今年の分はこれから年末年始にかけてちびちび飲む予定です。
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そして年末年始ももうすぐ。12月ははやいなぁ、、。
by zo.chika | 2011-12-15 23:57 | 一日一膳