冬深まり、色失せる山奥。
by zochika
最近の記事



☆去年の今頃☆



flickr
my travel photos
旅の写真。



(c) 2005-15 zochika. All rights reserved.
email

キミはとっかんを知っているか
わたしは知りませんでしたよ、、。
d0008146_21305885.jpg
3秒前~、、





・・・の、その約20分前。「とっかん屋が来たよ~」と呼ばれて外に出たある日の夕方。トッカンって何??と思って聞いてみると、「古いお米とか豆とかをね、加工してくれるんだよ」とのこと。それでもまだ何だか解らないでいましたが、「ちょっとめずらしいから見にいってみたら?」と言われ、豆の入った袋やら醤油瓶やらを抱えて近くの広場まで歩いていきました。


いました、とっかん屋さんが。
d0008146_21384060.jpg
近所の子供たちも(そして大人も)。


こんにちは~とあいさつをしつつ、トラックを覗きこむ。
d0008146_21524947.jpg
鍋にカゴ?に鉄の塊?に、、いろんなものがわさわさと。


まだよく訳が解らずにカメラを持ってうろうろしていると、とっかん屋のおじさんがお客さん(わらわら集まってきた近所の方々)と「はい、これも」「うん、それも」などと話をしながら豆やら何やら受け取って確認しています。
d0008146_2283133.jpg
黒大豆に青大豆に、、普通の大豆かな?


そして、それを鉄の塊(のような機械)にざらざらっと空けます。
d0008146_2291449.jpg
こうして見ると大砲の出口(?)のようですね。。


その間ずっと、おじさんはにこにことおしゃべりしつつ、機械をセットして、いざスタート。
d0008146_2213633.jpg
重そうな大砲(違)が、ガスの火の上でゆっくりと回り始めます。


「うちはね、長野県で1台しかない移動とっかん屋なんだよ~」「米でも豆でも何でもやるよ~」「古いのでも大丈夫だよ~」と言うおじさんと話をしながら、ようやく「ああ、これはお米とかをはぜさせてお菓子にするのね」となんとなく解ってくる。要はポップコーンみたいなものですね(もちろん、とうもろこしもOKとのこと)。
d0008146_22232550.jpg
機械が回っている間に次の回の分を準備。これはえーと、、大豆と(固くなった)お餅と、あとなんだろう??(※写真に夢中になっていてよく覚えていません、、汗)


そして、出来上がる分に合わせて、味付けの準備も。
d0008146_22282544.jpg
醤油と砂糖(だと思う)を鍋にかけます。醤油の焦げたいいにおいがしてきます。


10~15分ほど経った頃でしょうか、「さ~て、そろそろいくよー、準備はいいか~い」とおじさんが機械の火を止めて、大砲にカゴをセットすると、試食を頬張りながらきゃあきゃあ騒いでいた子供たちもまた集まってきます。
d0008146_22343746.jpg
「すごい音がするからねー!」と棒を構えるおじさん。「3秒前って言ってねー!」と子供たちも半分耳をふさいでおじさんの手元を見つめます。(でもってカメラを連写モードにして構えるわたし。)



「さーん、にー、いーーーち、、」





























バカーン





…爆音とともに煙がもうもうとたちこめる。で、その瞬間。
d0008146_22352885.jpg
大砲の口から豆が飛び出しているのがはっきりと…は判らないと思いますが(撮影失敗)、、、ともかくカゴの中に豆が飛び出したのでした。


はぜた豆はこんな感じ。
d0008146_22465974.jpg
まだ熱い豆は香ばしい、いい香り。そのままでもぽりぽりいけますが、ここにさきほどの醤油と砂糖を熱したものをかけて混ぜ(豆の量の割には結構少ない)、さらにそのうえから砂糖をざらざらとまぶしてできあがりです。いやぁ、それにしてもすごい音でした。


まだびっくりしながら味見をしたりしているうちに、いつの間にか2回目の分もできつつありました。「2回目からは速いんだよ~」とのこと。
d0008146_23103045.jpg
大豆とお餅。四角い、小さい食パンみたいなのがお餅です。おもしろーい。



自分でポップコーンを作ったことがある方はなんとなくわかると思いますが、あれはとうもろこしの粒を加熱すると、中に含まれる水分が水蒸気になって体積が増え、外側に向かう圧力が強まり、それがある点まで来ると外の固い殻を突き破って破裂するという、いわゆる水蒸気爆発の原理でできているわけです(*この説明では間違っているような気もしますが、詳しくはこんなページをご覧になってみてください。ちょうど、同じような機械の説明もあります)。
d0008146_23115330.jpg
この大砲 釜では、米や豆をで加熱し、釜の中で水蒸気をためて圧力を上げています(横についているのは圧力計のもよう)。ちなみに中の温度は1,400度くらいになるのだそうです。


で、圧力がじゅうぶんに高くなったところで、釜の蓋を開けると、豆や米が爆発して飛び出し、それをカゴで受けとめるわけですね。
d0008146_23155147.jpg
うむ、なんとなくわかった。ような気がする。。


で、米や豆というのは解るのですが、このとっかん屋さんのおもしろいのが、米にうどんやそば、パスタなどを混ぜてできます、というところ。「ほら、うちにスパゲッティとかマカロニとかあるでしょ~、そういうの持ってきて!」と勧められる。
d0008146_23232674.jpg
…が、あいにく家には普通のスパゲッティもマカロニもなく、うどんもそばも何かも切らしていたため(汗)、イタリアから来たわたしのとっておきのパスタ登場。。全粒粉のスパゲティと卵入りのショートパスタです。これをもち米と混ぜて釜に入れます。どんなふうになるのか興味しんしん。


数分後、「これは今までより大きくはねるからね、離れてたほうがいいよー」と言われ、カメラを構えてじりじりと後ずさりして待ちます。



3、2、1、、
d0008146_23365199.jpg
バ ン







・・・。




これは確かに強烈でした、、、。042.gif

d0008146_23454661.jpg
なぜ他よりも爆発が大きくなるのか尋ねたところ、乾燥豆よりも米、うるち米よりももち米のほうが水分量が多いためだそうで、それだけ水蒸気の量も多くなり、圧力も高くなるのでしょうか(いや、それは関係ないのかな、、どうなんだろう)。いずれにしても、豆ははぜてもせいぜい2倍くらいの量ですが、米はぼわーんと膨らみます。


しかし、爆発の瞬間、両手でカメラを構えていたので、耳がふさげなかったわたしは、しばらく耳鳴りがしていました(汗)(※皆様は気をつけましょう)。。いやはや。
d0008146_23531656.jpg
でも、こうやって水分が抜けてからからになった米や豆はとても長持ちするのだそうで、はぜた米は「1年くらいで食べちゃったほうがいい」けれど、豆のほうは「4年間は大丈夫。今、6年置いてあるのもあるけど、それも全然OK」とのこと。ほ、ほんとに??



さて、うちは3回分頼んで、最後に「ところで、結局”とっかん”って何なんですか?どういう意味なんですか?」と聞いたところ、おじさんも、一緒にいたご近所の方々もみなさん口をそろえて「音だよ、音」と。別に「とっかん」自体に意味があるわけではないのですね。なーんだ。。
d0008146_0454758.jpg
「昔からね、とっかん屋が毎年夏になると1回は来てね、1日はそこにいて、近所の人が古くなった米とか豆とかを持っていって、とっかんしてもらうんだよ。小さい頃は楽しみで、おじさんのあとをくっついて回ってたっけ」となつかしそうに話してもらいました。



そういえば何だかみんな楽しそうでした。
d0008146_1383547.jpg
だって、(一応)安全な環境で、こんなに大きな音がして、ちょこっとの豆が袋いっぱいに膨れ上がって、っていうのは、それだけで子供にとっては楽しいですよね。いや、わたしも楽しかったですから。


ちなみにこちらのとっかん屋のおじさん、テレビなどにも出ていて、けっこう有名な方なんだそうです。なにせ「長野県に1台だからね!」とのこと。
d0008146_046615.jpg
新潟とか名古屋とか、東京にも行くとおっしゃっていましたよ。にこにこおしゃべりで、おもしろいおじさんでした。


ときに、母もあとで「そういえば子どもの頃、うちのあたりにもとっかん屋が来てたような」と言っていたし、皆が皆とっかん、とっかんと言うので、そういうものなのか、と思っていたのですが、帰ってちょっと調べてみたら、地方によって呼び名が違うようでした(こちらこちらなどで呼び方の違いがまとめられていました)。「とっかん」は群馬・長野あたりの呼び方のようですね。どうりで知らないはずでした。
d0008146_116015.jpg
…とは言っても、まあわたしなどは「ポン菓子」という言い方がいちばん馴染みがあるかな?という感じですが、だからといって子供の頃「ポン菓子屋」が近所に来たわけではないし、やっぱりこんな機械(屋台?)は見たことがなかったのでした。というわけで、楽しい体験でした。



…さて、楽しかったのはいいのですが、3回分もやってもらうと、出来上がりがものすごい量になります。。
d0008146_0484264.jpg
とりあえず、袋に入れて家に持って帰ったら、新聞紙などの上に広げて30分くらい置いてから、タッパーに入れて保存するとのこと。うちは瓶に入れたり、ジップロックに入れたりしましたが、それにしてもすごい量でした。。


あ、そうそう、パスタ入りのやつ。
d0008146_0491670.jpg
そば飯、、、?(違) えーとこれ、どんなふうになるのかな、と思っていたら、スパゲティのほうはぷわーんと、ショートパスタはかりっと。意外と普通でした。蕎麦があったらやってみたかったなーと思うのですが。残念。


で、お米自体は、これは要は朝食用のシリアルにあるライスパフですよね。なわけで、わたしは牛乳をかけて食べています。うん、フツー。でもとっかん屋のおじさんは、「夏の間は冷たいみそ汁に入れて食べたら、それだけでご飯になるよ!」と言っていました。。 うーむ、コメなのでまあ、そうなんでしょうけどね、薄味とはいえ甘みがついているので、それはどうなんだろう。(でもうちの家族は、うどんを食べたあとのつゆにこれを入れて食べていた。やや甘いけど、結構おいしかったみたいです。)



でもまあ、もっぱら、そのままぽりぽりおやつです。
d0008146_055478.jpg
3種類はいちおう別々に保管していますが、一部、ぜんぶ混ぜてみたら甘さのバランスがよくて(豆が甘くて米は甘さ控えめなので)、おやつとしてはこれがよかったかも。お茶とともに。4年かかっても食べ終わらないんじゃ、、と思うほど大量にありましたが、まあまあ、いつの間にかなくなりそうです。ってまだありますけどね、大量に。


そんなわけで、とっかん初体験で〆た2010年の夏という感じでした(<強引にまとめすぎ)。
d0008146_0481672.jpg
またいつの夏かに、どこかでとっかん屋さんに遭遇できたらおもしろいな、と思いつつ。
by zo.chika | 2010-09-17 23:45 | 一日一膳