冬深まり、色失せる山奥。
by zochika
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季節外れの旬
ちょっとめずらしいもの
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週末、母の知人のお宅にお伺いしたときに見せていただいたもの。





これはくるみの木です。くるみの実が木になっているところは初めて見ました。この緑の大きな実は若いくるみ。これが秋になると固くて茶色いあのくるみになるわけです。


…なるわけですが、このつるんと丸い緑が、あのしわしわの固い茶色いやつになるなんて(*注: 厳密には、皺の入った固い殻の外側にもう1枚皮があり、それが緑の皮の部分なのですが)、実際に実を見ても、というか見たらなおさら信じがたい。植物って不思議だ、としみじみ思いつつ、その緑の実をいくつかいただいてきました。
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ちょっと見た目の悪そうなのを集めてきましたが、(そしてたわしでごしごし洗ってしばらく放置していたら余計茶色くなりましたが、、汗)これを使って作りたいものがあったのです。


四つ割にして、瓶に入れて、どぼどぼと。
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きゅうりか?という感じの、どことなくウリ系の切り口に、なんとなくくるみの実の形が見えるような、見えないような。


普通のくるみは秋に収穫されて、殻付きのままなら半年以上は保存できますが、まだ青い実が採れるのは夏の前の短い間だけ。今のうちの、まだ包丁の刃が入るくらいの柔らかさ(といっても固いのだけど)のうちに作りたかったのは、くるみのお酒。イタリアではnocino(ノチーノ)と呼ばれるものだそうで、青いくるみの実を砂糖やスパイスと一緒に酒に漬けて作るものだそうです。去年(のはず)こちらでその話と作り方を見て、興味はひかれたものの、青いくるみの実を手に入れるのが難しいなぁと思っていたのに、それが今年、くるみの実が青くなる頃に、くるみの産地にいて、くるみの木をお持ちのお宅に伺えるとは。


実はそちらのお宅には別の用事で伺うことになっていたのですが(それについてはまた今度)、その前日の夜に、たまたま同じレシピを本で見てこのお酒のことを思い出したので、本当にちょうどいいタイミングでした。
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くるみにシナモン、クローブ、バニラビーン、レモンの皮、そして砂糖をウォッカに漬けるだけ。果実酒というのはそんなものですが、作るのは本当に簡単です。


青いくるみを切っていると黄緑色の汁が出てきますが、これが染みになると取れないそうなので、手袋をして作業します。で、そのくるみが入ったお酒も、あっという間に色がつきました。
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砂糖を溶かそうと混ぜているうちにこんな色に。オリーブオイルみたいです。これが、これからどんどん色が変わっていくのだそうです。


***



さて、青いくるみは酒に漬けるのに使うだけで、そのままでは食べられませんが、食べられるくるみもいただいてきました。
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この倍以上、袋にいっぱい。なにせ去年と一昨年とくるみを譲っていただいた、くるみを出荷している生産者のお宅なのでした。こんなにたくさんいただいて恐縮です。。


それをもくもくと割る。
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そしてもくもくと薄皮を剥く。。(ここが時間かかるのです。)


こちらもスパイスをいろいろ加えて
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酒に漬ける…のではなくオーブンで焼く。


シナモンやクローブ、そしてしょうがに唐辛子を加えて甘く味付けして焼いたくるみは、ノチーノと同じく David Lebovitzの最新刊 Ready for Dessert: My Best Recipes (Ten Speed Press, 2010) より。いろいろ魅力的なお菓子のレシピが載っているのに、簡単な酒やらナッツやらから作ってますが(汗)。本ではピーカンナッツで作っていますが、くるみでもいいよね、と思ったら本にもそう添え書きしてありました。でもピーカンナッツなら薄皮を剥かずにすむので、そちらのほうがさらに簡単(というか手間がかからない)とは思います。


そのまま食べてもおいしいけれど、アイスクリームに混ぜ込む(またはふりかける)のもいい、ということだったので、それはおいしそうだ、とやってみる。
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うまー。♪ くるみはまだまだあるので、残りはまたお菓子にする予定です。



***




さて、くるみのお酒を漬けた翌日。
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こんな強烈な色になりました。。。


この後はどんどん色が濃くなって、1か月半から2か月漬けておくとほぼ真っ黒な茶褐色になるのだそうです。その間、毎日がしがしと瓶を振って待ちます。そうしたら実を取り出して濾して瓶詰して、できあがりと言えばできあがりですが、あちこちで読んだ結果をまとめると、できたてはかなり苦いので、そこからさらに半年、または1年、できればもっと置いておくと味がまろやかになってよいとのこと。気の長い話です(遠い目)。果実酒というのはみんなそうかもしれませんが、準備は最小限で、あとは時間が完成させてくれるものなのでしょうね。


そうは言っても、いろいろ漬けたのに(※他にも漬けてます)、すぐに飲めないのはやっぱりつまらない。
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なもんで、何か飲み頃のものはないかね、というわけで、母が2~3年前に漬けたとっておきの五味子のお酒を開けてもらいました。スパイスナッツをつまににちびちびと。


漢方でも使われるというこの五味子という実、真っ赤できれいな色のお酒ができて、口に含むと一瞬、かすかに甘い風味がするのですが、すぐに渋~い味が口に広がります。それが何かに似てるなーと思ったら、龍角散のど飴(!)でした。そうしたら五味子にはせきどめの効果もあるのだそうで、なんだか妙に納得したのでした。



ところで、母もいろいろ果実酒を漬けていますが(というか母のほうが前からいろいろ漬けている)、母の持っている果実酒作りの本(日本語)に青いくるみのお酒も載っていて、それで母もホワイトリカーで青いくるみを漬けていました。スパイスなどは入らないし、お酒の量も違うけれど、やっぱり同じようなすごい色になっていました。どういう味になるか楽しみです。
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そして、今年もおいしいくるみができますように。こちらも今から楽しみです。
by zo.chika | 2010-07-12 22:28 | 一日一膳